プロローグ
どこだここは・・・・
眠い目をこすりながら、辺りを見渡す。
ほんの数分前は自分の家の、自分の部屋の、自分のベッドの上で眠りにつこうとしていた。が、否。今俺の目の前に広がるものは数分前にみた場所とは異なるものだった。
・・・・・・いや、『世界』といった方がピンとくるかもしれない。
眠気も多少和らいだ俺は一歩、また一歩と歩き始めた。
見渡す限り街に俺は建っていた。それも、高いビルや、マンション
などと言ったものではなく、主に2階建ての石材、レンガ、木材等々の使った建物が街の半数を占めている。
そのうえ、賑やかな街で、民衆の声があちらこちらから耳に届く。周りの民衆は驚くことに、俺を含めた日本人とは言い難い。
髪の色は多色様々。服装も日本人の・・・いや、世界中探しても珍しい格好をしている。
ある、予感が俺の脳内を横切り、進めていた足をピタリと止めた。
「異世界・・・」
そう、どう考えてもそれしか出てこなかった。
日本、アメリカ、中国、ロシア、フランスなどの、様々な国ではない。いや、ない自信があった。
・・・・・・だって、空を見上げても、辺りは明るいのになぜか『太陽』がどこにもないんだぜ?
それにだ。世界観がまるで・・・・まるでファンタジーそのものだった。