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さいこう

作者: onelabo

日払いのバイトで実家暮らし。

生まれて30年と8年目になる。

この年になっても友達の正也に誘われてもお金が足りず、飲み代を親に借りて飲みに行った。

いつも借りると言って、ちゃんと返した事もない。

情けないことは知っている。

正也は同級生の友達だが、子供がおり正社員で働いている勇者である。

そんな友達は楽しく酒を酌み交わしていても、ふと比べてしまう時がある。

・・・なんで僕は?

浮かんだ疑問を考えない様にお酒で流し込む。

結局、飲み過ぎてしまい一人で帰ることができず途中で座り込む。


「ちょっと、そこのお兄さん!やっていかないかい?」


重い頭をなんとか上げると占いの看板。

もう少し上をみると、怪しげな占いのおばさんがいた。

最初は断っていたものの借りたお金が残っていたので1枚渡した。

千円札を受け取るとおばさんは水晶に手をかざした。

何度か唸りながら手を水晶の上でクルクルと回した。

「わかりました」

おばさんは手を合わせて水晶に拝んでから言った。

「あなたは近いうちに一生に一度の輝きを放つ時がくる。」らしい。

運命の出会いとか?仕事関係?…なんてドキドキもしていたが、数日経っても何も起きなかった。

たかが占いか。。。そして時間と共に忘れていった。


数ヶ月後、久しぶりにバイトに行こうと玄関で靴を履いていた。

急に目の前が真っ白になり、脳みそに熱くなる。

これが輝き!?神が舞い降りてくる様なとんでもない「ひらめき」。

今までの人生の悩みや苦しみを払拭してくれる神の一手。

これで、僕は大逆転ができる…最高の日だ!!

「あんた、お財布忘れてるよ?」

振り返えると母が立っていた。

母は財布を手渡すと、すぐに居間へ戻っていった。

「あれ?」

ふと我にかえってしまった。

ひらめき…なんだっけ?

ゆっくりと目を閉じて財布をポケットにしまう。

ふぅ、とため息をひとつ。

また再考だな。

「さあ行こうかな」

勢いをつけてドアを開いた。

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