普通
ー僕はごく普通の男の子。
ー私は平凡な女の子。
本来、話の始まりにはそんなものが付くんだろう。
だが今から始まるのは普通じゃない少年少女の普通じゃない物語。
この話の主人公達にとって「普通」という言葉ほど皮肉なものはないだろう。
生まれから違い、育てられ方も違い、学び方も違い。
そしてー身体も違い、精神も違い、できることも違う。
これほどにまで「普通」に馴染みがない者も珍しい。
ところで「普通」とはなんだろう?
これを読んでいる人たちの中には「自分の生活が平凡でつまらない」とたまに思う人もいるだろう。
逆に「自分の生活は特殊すぎてキツイ」と思う人はそうはいまい。
普通。変わってないことを指すときによく用いられるが、その普通も千差万別だろう。人の数だけあるとはよく言うが、正にその通りだ。
人間は誰しも自分のことを「何の異常もない"普通の"人だと思うだろう。自らのことをおかしいと思える人は少ない。
自分のことは普通と捉え、自分の基準から外れた人は異常と見る。
こう考えてみると、どんなことでも普通でどんなことでも普通じゃないように思える。
とすると、さっき語った主人公達も普通の少年少女だと言える。皮肉なことに。
話が若干逸れてしまったがそれでは始めよう。
"普通"の少年少女たちの物語を。




