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なぐられて影武者  作者: 十五郎
第4章 三千世界の重箱の隅を突くような轟音を伴う戦闘でクライマックスだったりする
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4-10

~前話のあらすじ~

 ミイラのジジイは三人の協力要請を蹴った。自分の子孫であるヒメコを贔屓したいし、「ジオ」と国名に付くところの王族とは犬猿の仲であるとの理由だった。それでもなんとかしてガルルア・ランメイスを破壊したいイストは、ミイラジジイを武器として仕えるのではないかという、悪魔的発想にいたるのであった(ギャグ的な意味で)。


「正直スマンかった!」


 イストに右手を離してもらったジジイが、とてもすばらしい土下座をしていた。


「ガルルア・ランメイスを破壊する方法ぐらいすぐに教えちゃるわい!」


 つまりだ。イストのアレは芝居であり、ジジイに対して「不死身だからこそ味わう恐怖もあるんだぞ」と教え込むためのものだった。完全に恐怖したジジイは三人に対して本気で土下座を繰り返し、自分を武器として使わないようにと頼み込んだ。三人はその交換条件としてガルルア・ランメイスを破壊する手段を譲り受けることにしたということだ。

 素直に協力すると言ったジジイだが、スゴルドは彼の言葉に引っかかりを覚えたようで眉をひそめた。


「破壊する方法? 封印する方法の間違いではないのか?」


「大丈夫じゃ。確実に破壊できる方法があるんじゃよ」


 スゴルドの問いに対してジジイは土下座をやめ、立ち上がると同時に胸を張って答えた。


「しかしながらおじいさま、あのガルルア・ランメイスは巨大過ぎて現在のドラゴンでは太刀打ちできませんでした」


 スイナが横から口を挟んでくる。


「貴方の歴史が描かれた童話にも、ガルルア・ランメイス以上の兵器は登場していませんわ」


「童話じゃと? ……ワシの偉業がきちんとした歴史として伝わっていないことにはすこーしばかり寂しいところがあるのぉ」


 もっともな意見なのだが、ジジイは少ししょげただけであった。ウソがばれて慌てるとかそう言う仕草はない。


「本当にその童話にはガルルア・ランメイスより強い兵器が登場しなかったのかの?」


「ええ。ワタクシが覚えている限りでは、それ以降に新たな兵器を必要とした記述はありませんでしたわ」


「まあそのとおりじゃった。アレを持ち出した途端に楽勝ムードじゃったもんなぁ。それでも、新しいドラゴンの開発は続いたぞい」


 ジジイの言葉にイストが挙手して質問してくる。


「……新しいドラゴンと言いますが、それはダイナソー種ではないでしょうね?」


「もちろんそのとおりじゃ。青年の言いたいことはわかる。ダイナソー種でディザスター種に対抗できるのかと言いたいんじゃろ?」


「はい」


「じゃから開発を続けたのじゃ。ダイナソー種を生け贄にしてドラゴンを作ることで、程度はガルルア・ランメイスと比較にならんほどの弱いディザスター種を作ることに成功した。」


「ならば、それを使ってアレを討てと言うのですね?」


「それは違う」


 話の流れでは、弱いディザスターを何体も使ってガルルア・ランメイスを討つのかと思ったが、ジジイはそれを否定した。そして、ニヤリといやらしく笑う。


「ジジイよ、それは一体どういうことだ?」


 今度はスゴルドが話に割って入ってきた。自国が攻められている状況ではのんびりと話をしていられないのだろう。


「よく考えてみるんじゃ、不細工。ディザスター種よりもダイナソー種は弱い」


「それは理解した」


「ダイナソー種を生け贄にして作り出せるドラゴンは、偶然の産物を除いて弱いディザスター種でしかない。では、ダイナソー種の変わりにディザスター種を生け贄にした場合はどうか」


「……できるのか、そんなことが?」


「その為に研究を続けたのじゃ。しかも、これまた偶然に予測していたのより強力なドラゴンができてしまってな」


 それだけ言うとジジイは大きな口を開けて笑い始めた。


「グッフッフッフ……それを使ってみてはどうじゃ?」


 予想の斜め上を行く申し出に対してイストたちは顔を見合わせた。

 先ほどまで自分たちの脅迫……もとい、お願いをつっぱねていたジジイが急に太っ腹な対応をしてくれるという。何かがあるに違いない。そう思いながらもガルルア・ランメイスを速やかに排除したい三人はそれを受け入れるしかなかった。

 頷き合った三人。代表してスゴルドがジジイに対して「わかった」と返答した。

 ジジイは返事に満足すると後ろをついてくるように言って歩き出した。そして、歩きながら説明を始める。


「強力なディザスター種には封印処理をしてあるのじゃ。あのガルルア・ランメイスも封印のプロフェッショナルによって封印しておいたんじゃよ」


「だったらなぜお兄様と悪辣な魔女が一緒に!」


 スイナがジジイの説明に対して不快感をあらわにする。ジジイはチラリと一瞥すると再び前に向き直った。


「封印という技術には解除という技術が表裏一体。封印のプロを名乗るならば、解除の方法もきちんと用意しておくのが筋というものじゃ。もちろん、そう簡単に解除されないようにもしておくのじゃがなぁ」


「具体的に言ってどのような解除方法があるのだ?」


 スゴルドの言葉に対して、ジジイはニヤリと顔を歪ませてイストに尋ねた。


「ぐっふっふ……青年はそろそろ気付いているのではないか?」


「二つの王家の血筋が必要……いや……」


 すらすらと応えるイストだが、かぶりを振って自分の考えを否定してみせる。ジジイはその様子に非常に満足したようで足を止めて首を縦に振った。


「……そんな解除方法であれば、敵国の王族によって無理矢理解除されてしまう可能性もあります。ですから、大切なのはその二人の関係が友好であることを示すこと……といったところでしょうか?」


「まあ、ほとんど当たりじゃ」


 ジジイは再び歩き始める。


「二人の関係が友好であるというより、愛し合っているかの確認が必要なんじゃ。それ故、二人は男女でなければならない。それは、多数の王国が互いにつながりを持っているという平和状態を示しているのじゃ。

 ちなみに、封印を解除したとしても二人が仲違いをすれば3日もたたずに封印状態に戻るようになっとる」


 これまで聞いていたジジイの声色とは違う、真面目なものだった。


「一国による支配など、結局その支配者である覇王が死去すれば崩壊する砂の城でしかないのじゃからのぉ。もうちっと長い支配を可能にする制度が必要でな、ドラゴンの封印を解く方法はそのひとつなんじゃよ」


 イストはジジイの言葉を聞いて童話の中身を思いだしていた。あの王様は大陸全土を支配できるほどの力を持ちながらもそれをしなかった。自分が大陸で一番大きな国土を持っていればそれで満足だと言っていた。

 つまり、こういうことだろうか。

 このままガルルア・ランメイスを存在させ、クラオジルスとヒメコによって大陸を支配させても、それはジジイの血筋を繁栄させる手段にはならない。だから、今は敵であるイストたちに手を貸してガルルア・ランメイスを破壊させ、クラオジルスとヒメコを元の鞘に戻そうとしている。

 ただしこれはイストの予想だ。そもそも彼は『太陽を引っ張った王様』に出てくる王様を国の支配者として尊敬している。目の前にいるジジイは確かに見た目が矮小で醜悪、思考も短絡で幼稚。尊敬できるところは皆無だが、彼の心には偉大な支配者なのかも知れないという希望があるのだ。


「さて、着いたぞ。ここが最高傑作のドラゴンが封印してある部屋じゃ」


 ジジイの声にハッとして現実世界に帰ってくると、そこは最初にいた部屋よりも広く、天井の高い部屋であった。

 ここまでの通路などよりも照明が多いのか、かなり明るい。おかげで部屋の形も、六角形という不思議な形であることがわかった。中心にある四本の石柱は飾りこそないものの、その表面を見事に磨かれており、中心に位置する祭壇と相まって厳かな雰囲気を醸し出していた。


「それじゃあはじめようかの」


 ジジイは祭壇までヨタヨタと歩いていくと、三人を振り向いてスイナのことを指さした。


「女は娘っ子で決まりじゃが……」


 そうだった。封印を解くには愛し合う男女が必要なのだった。


「……やはり男は不細工でいいのか?」


「まあ、俺がやるしかないだろうな。なあ、スイナ」


「ええ、影武者はもとは平民の出。王族の血を引いていないし……そもそも――」


「――青年は娘っ子に仕える騎士じゃもんな」


「そ、そのとおりですわ、おじいさま」


 イストは口を挟まなかった。しかし、忠義の騎士として意見を求められていないから話さなかったわけではない。彼は、自分の胸当たり……いや、胃の上辺りだろうか……その辺りに発生した体験したことのない痛みのような、重石のような、不快感のようなえもいわれぬ感覚に戸惑ってしまい、話すことができなかっただけだった。


「うんむ。青年もそれで良いな?」


 この感覚は一体何なのだろうかと、彼の持ち味である平静を失っていた彼は、問いかけに対して自分でも訳のわからない答えを言ってしまった。


「よくありません」


 と。

 素直に頷くと思っていたイストが否定をしてきた。スゴルドは驚きの表情。ジジイはニヤリと楽しむ表情。そしてスイナは……


「え?」


 小さく驚きの声を上げ……


「イスト……それはどういうことだ。この俺、スゴルド・イト・ラヌイジオがスイナには相応しくないというのか?」


「はい。そのとおりでございます」


「……影武者」


 不意に涙がこぼれた。


「封印を解くのに必要なのは深く愛し合うこと。姫にとってそれに相応しいのは貴方ではなく、この私です」


 スイナの前で自分を取り合うかのように争う二人の男。

 一人は幼い頃から知っている大国の王子。もう一人は自分の側に仕える騎士。

 本来であれば、大国の王子であるスゴルドに騎士階級のイストが張り合えるわけがない。それにもかかわらず、彼は真正面からスゴルドを睨み返していた。

 その無謀さが嬉しかった。


「王族という人を導く立場である俺とスイナであれば、自分の心を殺すことで互いに愛し合うことも可能だ。それに対してお前は王族ではなく、前提すら満たしていない!」


 スゴルドの言うとおりだ。イストも口を噤んで何も言えない。だが、ジジイがニヤリと笑って口を挟んできた。


「面白いことに、青年も一応王族の血筋に連なるものじゃぞ」


「なっ!?」


「は?」


「えぇっ?」


 三人の驚く顔に満足そうに笑ってジジイは続けた。


「国が滅びた王族や、権力闘争に負けた輩は平民となって生きるしかない。そんな奴らの血を引いているのじゃろうな」


「くっ! しかしなぜジジイはそれをわかるのだ!」


「ワシがわかるんじゃなくて、この部屋がわかるんじゃよ。ここに王族の血を引かぬものが入ることは不可能となっておる。ちなみに、血の濃さは関係ないから逆に王族でない人間を捜す方が大変かもしれんのぉ、グッフッフッフ」


「それでは王族であると言うことは関係ないとでも言うのか!」


「最初に青年が言ったはずじゃが……『二つの王族の血が必要』じゃと。運良く青年は娘っ子の血筋とは全く別の血筋だったようじゃの。たぶん、お前と娘っ子の組み合わせより良い『二つの王族の血筋』じゃろうな」


 笑うジジイは、血筋を調べるのもこの部屋の機能にあるんじゃよと付け加えた。

 大きな声を上げていたスゴルドは少し呆れた顔をして、自分を睨み続けるイストに問いかけた。


「お前も前提をクリアしていることは認めよう。

 では、聞こう。お前はスイナになにをしてやれるのだ」


 スゴルドの表情にはイストへの蔑みがあった。ただの騎士であるお前と自分とでは大きな力の差があると言いたいのだろう。


「俺はこの巨大な国と強力な同盟を持っている。これほどの力を使えばスイナの望むもののほとんどを与えてやることができる。

 お前はなにをしてやれる?」


 イストは表情を和らげてスイナの顔を見た。彼女は少しだけ不安そうな顔をしていたが、目が合うと表情をキッと引き締め、不敵な笑みを浮かべた。きっと信頼しているとでも言いたいのだろう。

 気付けば彼は微笑んでいた。


「騎士である私が姫に与えられるものなど、そんなものがどこにございましょうか?」


「ふんっ、ならばこの俺に――」


「まあ待て、不細工」


 口を挟んできたスゴルドをジジイが止める。イストが何か続けて言うのだと確信しているようだ。


「……私ができることと言えば、姫のすべてを受け入れることだけです」


 面白いことを言う。ジジイは再び声を上げて笑った。

 忠義の騎士であると見ていたが、そこまで言い放つのはなかなかいない。大抵は命令に忠実だったり、命を賭けて守るとかを言う。しかし、イストはすべてを受け入れると不思議なことを言った。

 微笑むイストと睨むスゴルド。二人の問答が始まった。


「では問おう。スイナを傷つける毒矢が迫ってきた。どうする?」


「身を呈して守ります」


「それでは一度しか守れないではないか。俺ならば多数の護衛を付けて守り通すぞ」


「なにをおっしゃいます、スゴルド殿。私はここにいますミイラおじいさんと同等の再生能力を持っていまして、そうそう簡単に死にませんから何度でも守りましょう」


「くっ……次の質問を行くぞ。スイナが伝承の中に登場する美しい花を欲しがった。俺ならば大陸中の細工職人を呼び寄せ、生きているがごとく美しい造花を作らせる」


「それに関してはスゴルド殿に負けます。先ほど申し上げましたとおり、私には姫に何かを与えることなどできないのですから」


 一瞬勝ち誇ったような顔をするスゴルド。不細工と言われることに腹を立てない彼だが、誇りを重んじる王子でもある。女を巡ってのやりとりに負けたくないのだろう。だが、イストの微笑みが崩れないことに気付いて顔をしかめた。


「では、私からの質問です」


「ああ。何でも答えてやろう」


「知ってのとおり、姫は加虐という嗜好をお持ちです。スゴルド殿はそれをどう処理しますか?」


「すべて防御して何度でも受けるつもりだ」


「そうですか。私はすべてまともに食らいます。そして姫が満足そうに自分を踏みつけることを受け入れます。それが愛だと思います」


「そ……それは一方的すぎて愛とは言えぬだろう!」


「いいえ。姫が踏んでくることに対して、私は嬉しいと思うので一方的ではありません」


「はぁっ!?」


「ばふぅっ!!」


 イストの告白にスゴルドが素っ頓狂な声を上げ、ジジイは大きく噴き出した。

 話の当事者であるスイナは顔を真っ赤にして俯いていた。


「私は姫を愛しています。姫のすべてが好きです」


 誰も聞いていないというのに、イストはにこやかに話を続けた。


「偽乳を付けていたのでその大きな胸も好きでしたが、小さいのもなんというかかわいげがあってとても好きです。それに、女の色香と言えば胸だけでもないですし、私のケツを蹴り上げる足の美しいことといったら……」


「か、影武者……そのへんにしておきなさい」


 主からの制止があるが、声が小さかったためにイストは気付かない。

 スイナの銀色の髪や肌の白さなどの見た目の美しさや、人の上に立つ人間としての凜とした佇まいや国に対する高い理想などの内面を褒め称えていく。

 そして最後にこう言った。


「そのようにして私は姫のすべてを受け入れているのです。ええ……愛している姫のものだったら、たとえウンコだって食べられます」


「「げぇーっ!!」」


「☆∬$〒※◎▼っ!!」


「いいえ、むしろ食べさせてくださいとお願いします!」


 もちろん、その直後に〝天国と地獄〟が炸裂してイストは吹っ飛んでいく。


「な……なにを言うのよ!」


「直球な愛の告白だろ?」


「それ以外になんじゃと思う?」


「まさにそのとおりでございます」


 拳同様に頬を真っ赤にしたスイナの言葉に対し、上からスゴルド、ジジイ、イストの順番で答えた。

 たった今、吹っ飛んだはずなのだが、すでに帰ってきているところが流石である。笑って前歯を輝かすところも忘れていない。


「それで……スゴルド殿も認めていただけるのですね?」


「認めるもなにも、スイナがあそこまで嬉しそうにしているのだからお前で決まりだろう」


 イストの問いかけに、スゴルドは苦笑しながら快諾した。イストはそのあたりの懐の深さが彼の持ち味であり、同時に弱点にもなるだろうと思いながら、今は素直に感謝することにした。

 やがてジジイの指示に従い、イストとスイナは手を固くつないで祭壇へと歩いていった。そして、二人ともそれぞれの残された手で祭壇に触れる。押すのでもなく、ただ、柔らかく触れるだけ。


「……なにも起こらないけど、おじいさま?」


 スイナが疑問を口にするとジジイが答えてきた。


「静かに。認証にはワザと時間が掛かるようにしてあるんじゃ。……そのまま5分ほど待っておるのじゃよ」


「時間が掛かるのですね。仕方がありませんが待つことにしましょう、姫」


「地上ではラヌイジオが攻撃されているというのに……悔しいわ」


 スイナはストレートに感情を吐露した。我慢しているイストやスゴルドの代弁をしているようにも思える。

 彼女と同じように感情をむき出しにする人間がもう一人。


「グッフッフッフ」


 正確に言えば、かつては人間だったが今では不死のバケモノとなってしまったジジイである。それが我慢しきれないとばかりに笑い出す。


「娘っ子よ、心配はいらぬよ。この封印が解けて飛び出すドラゴンは、ガルルア・ランメイスを遙かに超える存在じゃ」


 笑われたことで気分を悪くしたスイナは、返事もせずに無視をすることにした。顔を向けてもやらない。

 だが、それが間違いだった。

 ジジイがこれまで以上に下劣でイヤらしい笑い方をしていることを見逃したのは、間違いだった。


「そうじゃ……アレをも軽く屠るほどのバケモノ……人の手に余る存在……」


 イストはこのジジイに対して少しは敬意を感じていた。童話『太陽を引っ張った王様』に出てくる偉大な王様のモデルでもあるのだから、もしかしたらあの王様のように尊敬できる箇所があるのかも知れないと思っていた。だから、ジジイが協力してくれることに素直に応じたし、今もジジイの気配をしっかりと意識の中心に持ってきていた。

 それはひとつの失敗であり、ひとつの成功であった。

 ジジイを信用したことは失敗。

 イストはスイナとつないでいた手を思いっきり力を込めてふりほどき、彼女の肩を思いっきり押して突き飛ばした。

 ジジイを気配だけでも探っていたことは成功。

 スイナは驚きの表情で自分を愛していると言ってくれた青年を見つめようとしたが、それは叶わなかった。


「……制御できるはずがあるまいて! グッフッフッフ!」


 スイナの目に入ったのは火柱。轟音とともに現れたそれは、床から伸びて天井に突き抜けている。火柱は祭壇を囲むように配置されていた石柱すらも飲み込もうとしていた。

 つまり、火柱は祭壇を中心に発生したと言うことであり、祭壇の前に立っていたイストはそれに飲まれてしまったということだ。


「いやああああぁぁぁぁぁっ!!」



という感じに逆襲しましたミイラジジイ。

もちろん、主人公が死ぬわけないですけどw

その主人公くんにスカトロ趣味を付けたのは、「ウンコだって食えます」と言わせたかったから。昔、何かの雑誌に書いてあったことなのですが、一般人の男性と結婚することになったAV女優が、男性の両親を説得するために言った言葉にそう言うのがあるんです。

「私はこの人を愛しています。どのぐらい愛しているのかと言われますと、彼のウンコならば喜んで食べられるぐらいに愛しているのです」

とかなんとか。

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