表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思し召し  作者: 紀野 須
13/19

5−3 龍

日差しが眩しくて目が覚めた。肩に腹に巻きつく腕が重い。


二人ともパジャマを着てるから、ベッドに入ってすぐ眠りに落ちたのだろう。


寝ようぜ?と力づくでベッドに引き込まれてからの記憶はない。


亮平はまだ寝ている。


彼も一昨日はほとんど寝ていないのに、私に付き合って一日中動いてくれていた。疲れているんだろう。

体に回された腕はがっしりとホールドを崩さない。


逃げないんだけどな、と思いつつ。力を抜いて、その胸に頬を寄せる。


昨日の夜はアレは姿を見せなかった。

事件や事故はエリアの外へ向かっている。

まるで浩を探すように。


今はまだエリアを出てはいない。

でも、七課の仕掛けを突破してしまったら。


「また、余計なこと考えてる」

ぎゅっと、体に絡みつく腕が強くなる。

「何にも考えられないようにしてやろうか?」

と、頭頂部に柔らかな感触とリップ音。

「…怖いんだもの」

素直な言葉が唇から溢れる。


「考えすぎるから怖いんだ。大丈夫だって」

肩にまわる手が、髪を撫でる。ぴったりとくっつくと亮平の鼓動が頭の中に響く。


「大丈夫。今回はかなりわかりやすいから」

亮平が寝返りを打って腕枕はそのままに仰向けになる。腕枕にしている腕を曲げて、私の頭を肩に密着させた。そのまま、優しく髪を撫でられる。あやすように。

「何がわかりやすいの?」


わからないことだらけじゃない。

どうして浩を助けてくれたのか。

浩を使って何をしたいのか。


浩を助けたって前提が違うんじゃないか、と亮平は言った。


「今回の子ども、あの子の背の御仁は浄化したいんだろ。ただ、祓いも必要。だから、優美子と浩なんだよ。まっすぐでわかりやすい」

「優美子を紹介したのは私よ。そんな、優美子に浄化させるなんて考えてもいなかったわ」

ただ、警戒していた紀久さんを安心させるために引き合わせた。下心もあったけど。

「多分、龍与が引き合わせなくても浩が引き合わせたさ。間違いない」

なんで。なんで、あの子達なの?

「多分()()()()なんだろうな」


私の考えを読んだように亮平が言う。


「背の御仁があの子どもに肩入れする理由はわからないが、浩がちょうど良くそこにいたから使ったんじゃないか?」

「そんなこと」

「結構あるだろ?こっちの界隈では。神様のお考えはわからんが、人が絡まなければ、結構単純じゃないか」


…そうかもしれないけど。

「足りなければ瀬越や安代を使うだろ。今頃使われてるかもな…久万里に電話してみっかな」

「何?いつもの直感?」

亮平の直感はバカにできない。島崎部長の経験に基づいた未来視に通ずるものがある。

「んー、今回のは思し召し、てやつかも。まじで神様案件かな」


なお、悪いじゃないの。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ