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「なんとなく惹かれる」を信じていい  作者: アレックス・フクリー
2)見た目の「なにか」が気になる。それで十分

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2-2)顔・身長・筋肉──視覚で惹かれるのは当然

「やっぱり顔が好みじゃないと無理なんだよね」

「高身長ってだけで、なぜかときめく」

「Tシャツから見える腕の筋肉にドキッとしてしまう…!」


 このように、自分の「見た目の好み」について話すとき、ちょっと照れたような、申し訳ないような気持ちになってしまうこと、ありませんか? 特に婚活パーティーや、お見合いの場で「この人は見た目がタイプじゃない」と思ってしまったとき、「こんなことで判断していいのだろうか」と自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。

 でも、まず大前提として言っておきたいのは、「視覚で惹かれるのは、とても自然なこと」だということです。なぜかというと、私たちは目から入る情報で、多くのことを判断して生きているから。人間の脳は、視覚情報を処理するために多くの領域を使っています。私たちの感覚器官のうち、目からの情報が占める割合は実に80%以上とも言われているのです。

 特に恋愛や出会いの場面では、「最初に目に入る情報」が、相手への印象の大半を占めると言っても過言ではありません。これは決して浅はかなことではなく、生物として当然の反応なのです。

 いくら「中身が大事」と言ったって、それを知るには時間がかかる。価値観や性格、考え方を理解するには、何度もデートを重ねたり、様々な状況で一緒に過ごす必要があります。でも「見た目」は、一瞬で飛び込んできます。だからこそ、「この人、なんかいいな」と思えるかどうかの最初の入り口として、見た目はむしろ超重要です。

 心理学の研究でも、人間は最初の数秒で相手に対する印象の多くを形成すると言われています。それは私たちの祖先が、安全か危険かを瞬時に判断する必要があった名残りでもあるのです。だから、見た目に反応するのは「浅い」のではなく、むしろ生物として「正常」な反応なのです。



【「好み」には、ちゃんと理由がある】


 人はみんな、顔や体型の好みが違います。それは偶然ではなく、ちゃんと「その人なりの傾向」があります。たとえば、面長の人に惹かれる人もいれば、童顔に弱い人もいる。ゴツゴツした体格に安心感を覚える人もいれば、細身で中性的な雰囲気にときめく人もいる。

 この「好みの傾向」には、育ってきた環境や、過去の経験、そして本人が無意識に求めている安心感や理想像が反映されていることが多いのです。例えば、幼少期に面倒を見てくれた親戚の顔立ちに似た人に惹かれたり、初恋の相手の雰囲気を持つ人に反応したりすることがあります。

 また、進化心理学的な観点から言えば、「健康そうな肌の色」「左右対称の顔立ち」「適度な筋肉量」といった特徴に惹かれるのは、健康な子孫を残すための本能的な反応という側面もあります。これは決して「浅い」ことではなく、長い進化の歴史の中で培われてきた、生物としての賢明な選択機能なのです。

 つまり、自分の「見た目の好み」には、ちゃんと意味があるということ。それは単なる「わがまま」ではなく、あなたの過去の経験や、あなたが無意識に求めている安心感、そして生物としての本能が複雑に絡み合った結果なのです。

 だからこそ、「どうして私はこういう顔に惹かれるんだろう?」と少しだけ考えてみるのはおすすめです。それは、相手選びに役立つだけじゃなく、自分の感覚や価値観を言語化するヒントにもなるからです。

 例えば、「自分はいつも笑顔が優しい人に惹かれる」と気づけば、それは「温かい人間関係を求めている」という自分の価値観の表れかもしれません。「キリッとした眉毛の人が好き」という好みの裏には、「信頼できるリーダーシップを持つ人を求めている」というニーズがあるかもしれないのです。



【「見た目だけで判断していいの?」問題】


 さて、ここで出てくるのが「外見で選ぶのは浅いのでは?」問題。よくある婚活アドバイスでも、「見た目にこだわらないように」とか「内面を見る努力を」といった言葉が並びます。特に女性は「年収や安定性を重視すべき」「見た目よりも誠実さを選びなさい」といった助言を受けることも多いでしょう。

 もちろん、見た目だけで結婚相手を決めるのは危険です。「イケメンだから」「スタイルがいいから」というだけで、価値観や性格の不一致を無視してしまうと、結婚生活で苦労することは容易に想像できます。

 でも逆に、見た目を完全に無視して選ぶことだって、不自然でしんどい選び方だと思いませんか?「見た目はタイプじゃないけど、条件がいいから」と理性で押し切って交際を始めても、その「タイプじゃない感」は時間が経つにつれて大きくなることが多いのです。

 たとえば、恋愛初期に「どうしてこの人に惹かれたのか」が明確でないまま付き合い始めると、関係が続くうちにどんどん不満が出てきたりします。「なんとなく優しそうだったけど、実際は受け身なだけだった」とか、「顔がタイプじゃないことが、じわじわ気になってきた」とか。最初の「ときめき」や「なんかいいな」という感覚を軽視してしまうと、その反動はあとから必ずやってきます。

 特に結婚生活は長い時間を共にします。朝起きて最初に見る顔であり、何十年と毎日接する存在です。だからこそ、「なんか好きな顔」「心地よいと感じる見た目」という要素は、実は非常に重要なのです。

 だから、見た目で惹かれるという感覚を、もっと正直に受け止めていいです。視覚で反応したということは、あなたの身体が、直感が、「YES」と言ったということ。その感覚を無視するほうが、よほど不自然ではと思います。

「好きな顔」や「好みの体型」というのは、あなたの感性や価値観の表れです。それを「浅い」と否定するのではなく、自分を知るための大事なヒントとして受け止めましょう。



【「フィルター」として使えばいい】


 ただし、「見た目が好みかどうか」だけで全部を決める必要はありません。あくまで、「気になる」「もう少し知りたい」と思えるきっかけとして、見た目を入り口に使えばよいのです。

 婚活アプリやマッチングサイトでプロフィール写真をスワイプするとき、「この人、なんかいいな」と思える相手を選ぶ。お見合いパーティーで、「この人の雰囲気、好きかも」と感じる相手に話しかける。その「なんかいいな」という感覚を大事にしながら、次のステップとして会話や価値観のマッチングを確認していけばいいのです。

 たとえば、顔がタイプだからといって、性格が合うとは限らない。同様に、顔がタイプじゃない人と、スムーズに関係が深まるとも限らない。つまり、顔やスタイル、雰囲気といった外見は、直感のスイッチを入れる「きっかけ」くらいに位置づけるのがちょうどよいです。

 実際のところ、人間関係の発展には「近接効果」というものがあります。何度も会う機会があれば、最初は「特に何も感じなかった相手」でも、親しみや好意が生まれることがあるのです。でも、婚活の場では、最初から「もっと知りたい」と思える相手を選ばないと、その「近接効果」が働く機会すら得られません。だからこそ、最初の「なんかいいな」を大事にする必要があるのです。

 それに、「この人の見た目、どこか気になる」と感じる相手は、長く一緒にいるうちに、どんどん「いい顔」に見えてくることもあります。不思議なもので、「惹かれた理由」がわからないまま、あとからその魅力に気づいていくことも多いです。最初は「なんかいいな」と思っただけなのに、付き合っていくうちに「この人の目の優しさが好きだったんだな」「笑ったときの表情に惹かれていたんだ」と、具体的な魅力に気づくことがあります。

 つまり、「見た目で惹かれる自分」にブレーキをかける必要はない。その感覚は、ちゃんとあなたの中から出てきた、立派なサインです。それは単なる「浅い判断」ではなく、あなたの過去の経験や、無意識の価値観、そして生物としての本能が送ってくる大切なメッセージなのです。

「顔が好き」「身長が好み」「筋肉にときめく」──それは、あなたの感覚の入り口。そこから始まる関係には、実は深い意味があります。堂々と受け止めて、次の一歩につなげていきましょう。



【見た目の「好み」を大切にするコツ】


 最後に、見た目の好みを大切にしながら、健全な関係を築くためのコツをいくつか紹介します。


 1.「なんかいいな」と感じたら、その理由を少し探ってみる

「どこが具体的に好きなのか」「どんな印象を受けるのか」を言語化してみると、自分の価値観が見えてきます。


 2.好みの傾向を把握する

 過去に惹かれた人たちに共通点はあるか? それは単なる見た目だけでなく、雰囲気や仕草、話し方など、総合的な印象かもしれません。


 3.「譲れない条件」と「あったらいいな条件」を区別する

 見た目の好みの中でも、「これがないと無理」という部分と「あったら嬉しい」程度の部分を分けて考えると、選択肢が広がります。


 4.最初の印象とじっくり知った後の印象、両方を大事にする

 初対面で「いいな」と思えたら、ぜひ次のステップに進んでみる。でも、数回会って「やっぱり違うな」と感じたら、その感覚も同様に尊重しましょう。


 見た目の好みを「浅い」と否定せず、自分自身の感覚を信頼する。そうすることで、より自然で、長く続く関係を見つける可能性が高まります。あなたの「なんかいいな」という感覚は、決して間違っていません。それを大切に、婚活を進めていきましょう。

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