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腹ぺこロティ!  作者: 綾高 礼


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第24話「題して!2」


「先日は誠に申し訳ございませんでした」


 五月になりました。

 朗らかな気候が続く中、山形美咲先生、通称アンチョビ先生は、たったいま調理室にて真冬のような今にも凍えそうな声で頭を下げています。


「アンチョビ先生、どうか頭を上げて下さい」


 ロティさんは心配そうに言います。

 ですが手元には、ポワレさんが作ってくれたマドレーヌを握りしめています。


「お母さんはとても愉快な先生ですねと言っていました……むしゃ」

「ロティちゃんのお母さん優しいなぁ……むしゃ……ポワレちゃんこれめっちゃ美味しいわぁ」


 ニコニコしたポワレさんは、ロティさんの口元をハンカチで拭っています。


「アンチョビ先生……少しいいですか」


 マリネ先輩は、アンチョビ先生を部屋の隅に連れていきました。

 こそこそ、こそこそと話を終えたあと、マリネ先輩は眼鏡を光らせています。


「え〜では皆々様お待たせしましたぁ〜」

「いや別に待ってへんけど」

「アンチョビ先生、前へ」

「はい……」

「先生……先生は先日教師でありながら生徒の前でお酒を飲み泥水するという始末に」

「はい……」


 マリネ先輩は、しょぼくれるアンチョビ先生の周囲をゆっくりと歩きます。


「なんかはじまったな」

「ですがわたくしマリネとこのような会話をされましたことを覚えていますか。今度のGWゴールデンウィークに車を出して下さい、あと体を三日間貸して下さい、と」

「はい……」

「皆々様、聞きましたか」


「へ?」ロティさん。


「なんとお料理部はGWに二泊三日の旅行に出ます!」


「おぉ!」とロティさんとポワレさんは拍手します。


「ちょい待ってマリ、どこ行くつもりなん?」

「よくぞ聞いてくれたジュレ。題して『釣って! 焼いて! 食べて! 二泊三日をジュレ君の別荘で過ごそうじゃないか! そして川遊びや料理を楽しもう! イェイイェイイェイ!』」


 ロティさんとポワレさんの拍手は鳴り止みません。


「なんか、もう、うちの別荘勝手に使うとか……もう何でもええけど」


 ジュレさんは呆れながらマドレーヌを食べます。

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