第19話「秘伝の出汁!?」
「よし焼くぞぉお! 野郎どもぉおお!」
塩茹での間に、もう一つのコンロで準備していたマリネ先輩が言いました。
鍋にバターを投入します。バターの泡が細かくなってきたら先程切った玉ねぎとジャガイモを投入します。
「マリだいたい中火の気持ち弱めな」
「はいよ。シュエシュエ」
炒める時は、焦らずにじっくりと炒めましょう。そうすることで野菜本来の持ち味がよく引き立ちます。
野菜に色を付けずにしんなりと炒めます。イメージは野菜の水分出す、汗をかかせるような感じでしょうか。
これをフランス料理の調理方法で『シュエ』と呼びます。
そろそろシュエのお陰でジャガイモがしんなりとしてきました。
「ポワレ頼む」
こくりと頷いたポワレさんは大きめの瓶を机に置きました。
「これはなんですか?」とロティさんは聞きます。
瓶の中には白い液体が入っています。
「クククッ……よくぞ聞いてくれたなロティ君よ。これぞ代々お料理部で受け継がれてきた秘伝の出汁」
「ひ、秘伝の出汁!?」
「一応言っとくけどまだ部が出来て一年な」
「言ってやれポワレ!」
「フォン・ド・ヴォライユ」
「ふぉ、ふぉんみゃら」
「フォン・ド・ヴォライユ」
「意味は鶏の出し汁な」
「入れてやれポワレ!」
「うん」
ポワレさんは、野菜を炒めた鍋に、フォン・ド・ヴォライユを投入しました。
「ちなみにお家にフォン・ド・ヴォライユなんかないでーっていう人は水、顆粒コンソメで代用出来るからなぁ」
「補足ありがとうジュレ君」
「うぅ……うちも今誰の為に補足したんやろか……。なんか急に脳内で補足しなさいって洗脳された感じするわ」
「よしロティ君、ほうれん草もついでに投入してくれ」
「わかりました」
ドバドバと、ほうれん草を鍋の中に入れおえたロティさんは聞きます。
「この鶏の出し汁は皆さんが作ったんですか?」
「そうだぞ。フランス料理は幾つかのフォンを使う機会が多いからな。似てるところで言うと和食の鰹と昆布で作る一番だしみたいなもんだな。今度はロティも一緒に作ろう」
「はいっ楽しみです」




