魔王と女神
「え、リドリア国って。白薔薇学園のある国ですよね」と私が言うと、黒木さんがニヤッと笑った。
「そう、俺たちが作った国だ」
「あ、ゲームを作ったって事ですね」
「違う、俺とマリアで作ったんだ。1000年ぐらい前かな。やっとここまで大きくなったら、人間たちが魔獣にやられた始めて人口が減っちゃってね。マリアに頼んで聖女を転生させたら、あいつとんでもない奴で。もう王太子は使い物にならないし、逆ハーレム作ろうとしてて、もう無茶苦茶なんだ。だから聖女の攻略対象が逆ハーレムに入る前に、他の転生者を紹介しようと思ってな」と言った黒木さんの目は赤かった。
「え、ルシュファー様?」
「そうだよ、俺の事をはじめに見抜くなんて、お前すごいな。すごーーーーく気に入ったよ」
「私は夢とか見てませんよね」
「さっき、契約書に血判したろ。だから俺の本当の姿が見えるんだよ。ほらマリアも見てみろよ」
私はガバッと振り向いたら。
マリアさんは目の色は一緒だけど、なんか髪の毛の色が茶色から金髪になっていて、ふわふわ浮いてる。
「ぎゃーー浮いてる」
「そりゃそうよ、女神だもん。浮かないと天上にいけないでしょ」
「え?じゃあここの従業員はみんな異世界から来たんですか?」
「お、順応早いな。流石だなアヤ。全員じゃないけど、企画課は全員そうだ。実際にゲーム作るのは俺たちは出来ないから、日本で現地採用」とルシュファー様が言う。
「ま。。マリア様」
「マリアでいいわよ」
「マリアさん、何で日本なんですか?他の容姿が似ている人とか、西洋の人とか」
「容姿はあんまり関係ないわね、転生したら別の人間になるし、日本人は異世界転生の知識があるから、あまり動じないのよね。前にラテン系の女性を転生させようとしたら、ここは天国じゃないって大騒ぎで、契約書破られたわ。やっぱり、落ち着いた民族がいいじゃない?それに聖女も日本人の転生者だし」
なるほど、さすが情熱のラテン系だ。
「で、私は一体何をするんですか?」
「よくぞ聞いてくれました!これから会社を案内するから、それからリドリア国の現状を見に行きましょう」
「え!今からですか?私。え?もしかして死なないといけないのでは?」
「大丈夫だ、アヤ。契約書にも書いてあるが、契約を破棄しない限り、お前は自由にこことリドリア国を行き来できる」とルシュファー様が言う。しかしルシュファー様って言いにくいな、黒木さんって呼ぼう。
「そんな事書いてありましたっけ?」
「翻訳した文章には入れてなかったな」
とサラッと黒木さんが言った。魔王だけにずるい。
「それか、アヤが俺と結婚してずっと魔界にいたいってなら、1回魂を抜くから、死なないとダメかもな。俺は歳取らないから、アヤがおばあちゃんになる前に」
えーーーー結婚するのに死ななきゃいけないって何の罰ゲーム。
て言うか何で私が魔王と結婚する事になってるんだ?
「大丈夫、痛くしないから」って言われたが、そういう問題じゃない。
「じゃあ死なない方法も考えるよ」と渋々言った。
「はいはい、あなた達、いちゃついてないで。今日は時間がないんだから、行くわよ」
初めは企画課に行くそうだ。
入った瞬間になんか見ちゃいけない物を見た気がする。
「マリアさん、黒木さん、みんなむっちゃ尻尾や羽が生えてるんですがいいですか?バレバレですよ」
「血判契約した人しか見えないから大丈夫だよ」と黒木さんはいうけど、天使らしき男女と使い魔かな。。尻尾とツノが生えている男性が2人。あ、1人普通の。。。普通に見える女性が、でもなんで帽子をかぶっているのかな?
「みんな、紹介するわね。今度、結婚紹介所を担当する事になったアヤちゃん。オフィスは紹介所になるけど、この1ヶ月はこのオフィスに通うので宜しくね」
「石井アヤです、宜しくお願いします」
使い魔さん達から紹介がはじまった
「牛尾です」
「八木です」
牛と山羊の使い魔か?
天使達は
「天野です」
「円樹です」
最後に帽子の女性は「黒木メイです」
「あら、黒木さんとは。。?」
「あ、従姉妹って事になってます」
それは従姉妹じゃないってことね。
「メイは俺の臣下の娘なんだ。メデューサだから帽子取ったりするなよ、固まるよ」
「え!石になるんですか!!!!」
「あ、ここは魔素が少ないので、ちょっと固まるだけです。10分ぐらいで元通りになりますよ」と黒木さんはニコニコして言う。
「商談の時に面倒なクライアントがいる時に役に立つんだよ」と黒木さんもドヤ顔している。
それは何かアウトな気がする。
「ちなみに皆さんの名前は?」
「俺が適当につけた」と黒木さんが言う。
うん、何となくわかってた。
あまりに企画課のメンツが濃すぎて、他の部署の人達の事はあまり頭に入らなかった。まあ働くオフィスもここじゃないし、あまり関わる事はないだろう。
私達はビルの地下にやってきた。
奥の倉庫のドアには「関係者以外立ち入り禁止」の文字が。
中に入ると奥の壁にドアが3個ある。
マリアさんはその中の白いドアを開けた。
「このドアってもしかして」
「そう、異世界への入り口」
「思ったより普通で安心しました」
「今日は上から見るだけだから。えーーと、アヤちゃんは飛べないものね。黒木、お願いしてもいい?」
「ああ、任せておけ。アヤ、こっちに来い」と黒木さんはぐいっと私を抱きしめて、ドアを開けたと思ったら。ポーーンと飛んだ。
「ぎゃあ!」
「俺から離れないように、しっかり捕まってろよ」
私は焦って黒木さんをぎゅうぎゅう抱きしめた。
そして私達は雲の中に落ちていったのだ。
飛んでないじゃん!ってちょっと思った。
企画課の人の名前で偉く悩みました。名付けセンスないので。




