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王立図書館の司書-由美の場合 その1

「あーー疲れた」今日も書店で一日中歩き回っていて疲れた。


お風呂でゆっくり足をマッサージして、お風呂上がりに冷蔵庫に一本だけ残ったビールを飲んだ。


「いよいよ明日か」


1週間も前の話なので。夢かもしれないと思ったが。マリアさんにチートの能力を授けてもらった後、どの言語でも読める様になった事に気がついた。

マリアさん曰く、ここは魔素が少ないので、全ての能力は発動しないと言っていたので期待してなかったんだけど。もちろん話したりは出来ないけど、どの言語で書かれてても、日本語を読むようにスラスラ読めるのが楽しくて、ついインターネットでいろんな言語の本を閲覧して読んでいた。アラビア語が理解できる日が来るとは、感動。


明日、私は死んでしまうのか消えてしまうのかわからないけど、一応部屋の片付けはしておいた。


なんか寝るのが惜しいような、早く朝になってほしいような。


もう1時か。


私はベットに入って目を閉じた。

ビールのおかげか、眠たくなってきた。


日の光をまぶたに感じて、目を開けると。


「お嬢様、モニカ様、おはようございます。お仕事に行く準備をしますよ」


モニカって誰。。あ、私だ!

声がする方を見ると。あれ誰だっけ。

あ、スタッフのアヤさんだ。目が赤っぽい茶色で、髪はもっと茶色だけど、絶対にアヤさん。


「あ。。アヤさ。。。」


「お嬢様、侍女のアンナですよ。気分は大丈夫ですか?色んな記憶が一気に入ってくると体調を崩す時があるので、ゆっくり起きましょう」


そう言われた瞬間、モニカの記憶が一気に入ってきた。頭が痛くてつい目を閉じてしまう。


そんな私を見てアンナは心配そうに、

「お嬢様、今日はお仕事はお休みにしましょうか?」


「ダメよ、今日こそクリス様の禁書庫の閲覧許可が降りるかもしれないし」


「大丈夫ですか?無理はなさらないでくださいね、では着替えてお食事にしましょう」


アンナは私の着替えを手伝ってくれて、食事を持ってきてくれた。

「今日の夕方には伯爵様達がが領地から帰られるとの事で、夕食を一緒にしたいそうです」


そうか、モニカにはモニカの事を溺愛している両親がいる。私(由美)の両親はギャンブルにハマっていて、子供がいる事を半分忘れている様な人達だった。

自分で働いて稼げるようになるまでは、いつもお腹が空いて、洋服もぼろぼろだった。だから、誰かに愛されるという気持ちがよくわからなかったし、自分の気持ちを上手く伝える事ができなかった。


でも白薔薇学園のゲームを始めて、自分の言葉や行動に対して、キャラが応えてくれるのが嬉しくって、何度もプレイした。


特に口下手なクリス様は昔の自分をみているようだった。そしてクリス様の事を理解できる、モニカが登場した時は、クリス様でなく私が救われた気がした。


「待っててね、クリス様。私があなたを聖女の毒牙から守るわ」


朝ごはんが終わり、図書館に行く時間だ。


馬車に乗ってアンナと一緒に図書館に行く。ゲームで見ていた景色が現実になって目の前にあるだけで、ワクワクしてしまう。


図書館での仕事はモニカの記憶のお陰で困る事はなかったが、鏡を見るたびに、モニカのシルバーブロンドと紫色の目にびっくりしてしまう。モニカって本当に美人よね。


午前中はアンナに司書のアシスタントの仕事を教えた。まあ大抵の本は持ち出し禁止なので、借りていく人はほとんどいない。なので、図書館にやってくる人が探している本を見つけるのが主な仕事だ。アンナを連れて図書館の案内もした。そして一応禁書庫の場所も教えた。


図書館の案内が終わったところで、ちょうど休憩時間になったので、私はアンナと休憩室にお弁当を持って行く。


アンナは休憩室に着くとお茶を入れてくれた。

「アンナ、私は思い出したの。何故クリス様が禁書庫の閲覧許可を取ろうとしているのか」


「本当ですか?クリス様は何を探しているのでしょうか?」


「おそらく、魅了の魔法の解除方法」


「あ、聖女が王太子様にかけている」


「そう、クリス様は王太子が魅了の魔法にかかっているのに気がついて、王太子が聖女と結婚する為に妹のレイチェルと婚約破棄をするかもしれないと思い、それを止めようとしていたのね。まあ結局は間に合わなかったけど」


「じゃあクリス様はもう禁書庫に入る必要はないのでは?」


「まあレイチェル様は結果的に騎士団長と結婚する事になって幸せになったけど、王太子を操っている事には変わらないし、他の被害者が出ないようにしているんじゃないかしら」


「クリス様ってやっている事は正しいのに、あの口数の少なさで色々損してますよね」とアンナが気の毒そうに言う。


「そうねえ、実はすごく優しいのに冷血眼鏡とか言われててね。見えないけどあれで結構傷ついているのよ」


「あ、だから聖女様はクリス様が魅了解除の方法を見つけ出すのを止めようと図書館をうろうろしているですかね?あの人は図書館に来るタイプじゃないので、何でいるんだ?と思ってたんですよ。この前のお嬢様カッコよかったですよ。聖女様を争う事なく撃退してて」


「モニカは図書館や本の事になると、かなりかなり怖くなるみたいね、気をつけなきゃ。なんかやらかしてる気がするんだけど、思い出せないのよ」


「クリス様もモニカ様に怯えている感じでしたし。クリス様に何かしらんですかね?」


「うーん、どうかな。やったとしても最近じゃないわね。とりあえず禁書庫イベントを上手く発生させないと」


そうしたら、あの眼鏡を取ったクリス様が見られる。


「あれを生で見れたら、もう人生悔いないわ」と独り言を言ってしまった。


「何を言っているんですか?お嬢様」


「とりあえず、禁書庫の閲覧許可をとる事が先決よね、禁書庫には王族の秘密について書かれている本があるから、国王陛下の許可が必要で、公爵家出身のクリス様は王族の血も入っているから、何も問題はないはず」


「あ、国王陛下は最近国外に出てられましたよね、何でもそろそろ再婚相手を探したいと」


「そうね、王妃様が亡くなられて5年も経つし、王位を王太子様に譲った後に、一緒に過ごせる伴侶を探しているって話よね。でも2週間ぐらい前に帰ってきたらしいから、今、溜まった仕事を片付けているのかしらね?」


「じゃあ今日当たり許可が降りるんじゃないですか?」とアンナが言った時、ドアがノックされた。



覚えていない事が1番怖いんですよね。

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