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悪役令嬢としてー マリの場合 その2

目が覚めると、見慣れない天井が見える。

あれ私のアパート。。。


じゃない!今朝転生したんじゃんとガバっと起きる。どうやら保健室のようだ。


「お嬢様、気がつきました?お水どうぞ」とアンナが水の入ったグラスを渡してくれた。


「あら?私は演習場にいたのに」


「お嬢様はメグの火攻撃を受けそうになった所をカール様に間一髪で助けられて、そのまま気絶してしまったので、カール様が運んで来てくださったんですよ」


あ、そうだ。生カール様と筋肉に脳がパンクしたんだった。


「筋肉が。。。」と私が言いかけた時、


隣のカーテン越しに


「目覚めたか?筋肉がどうした?」と聞こえた。


ぎゃ!カール様が隣にいた!


アンナは私の方を見て、ニヤッと笑って。小声で「イベント頑張って」と言った。


あ、そうだこれは保健室イベントじゃない。本当はレイチェルは階段で誰かにぶつかられて落ちて、カール様に助けられるはずだけど。


「お嬢様、私はロッカーに行って荷物を持ってきますね」とアンナは私にウインクしながら出て行った。


「レイチェル嬢、カーテンを開けてもよろしいだろうか?」


「ひゃい。。。はい!」


カーテンの後ろから出てきたカール様。黒髪に緑の目が神々しい。私がぼうっとカール様を見ていたら。


「まだ、目が覚めたばかりだ、今日は無理せずに寮に戻った方がいいだろう」


「いえ、もう大丈夫です。助けて頂きありがとうございました」と言った時に、カール様の腕にある包帯に気がついた。


「え?腕はどうなされたのですか?」


「軽い火傷だ、気にするな」


「それって私を助けてくれた時ですか?」


「もう治療は終わってる。こんなのは怪我のうちに入らないが、君の侍女がちゃんと治療した方がいいと言ってな」


「聖女様に治癒の魔法をお願いすれば良かったのでは?」


「聖女は氷を溶かそうと放ったファイヤーボールが君に当たりそうになったのがショックで殿下が寮に連れて帰った」


いや、思いっきり私を攻撃してましたが。何故ショックを受ける。


「まあ、その割には地面に向かってではなかったがな。しかし君は魔法があまり使えないと思ってたが、先程のアイスシャワーは見事だった」と言いながら、私の顔に手を近づけてくる。


「君が怪我をしなくて良かった、ああ、でも髪が少し焦げてしまったな」とカール様はその部分の髪を指で持ち上げた。


また失神してしてしまいそうと思った時に、ガチャっとドアが開いた。


そこにはリヒト様がいた。


「レイチェルはもう気がついたのか?いま、メグを寮に送ってきたが、ショックが大きくこちらには来れないそうだ。君の事はすごく心配していたぞ。メグは繊細だからな」


思いっきり顔にファイヤーボール投げつけてくる人は繊細ではないと思います。


「レイチェル、いつから魔法が使えるようになったのか知らないが、メグが怪我をする所だったぞ、それともわざと転ばせたのか?」


「いえ、あれは聖女様が飛び出してきたので」


「本当だろうな?レイチェルはメグにキツく当たるからな」


「殿下、レイチェル嬢は殿下の婚約者ではないですか。彼女の髪も聖女様の攻撃で髪の毛が焦げてしまったのですよ」とカール様が言ってくれたが。


「髪なんか大した事はないじゃないか、メグは体に打ち身だぞ」


「聖女様はご自分で治癒出来ますよね」と私が言うと。


「だからと言って傷つけて良いわけではない。レイチェル、やっぱりお前は恐ろしい女だな」と言って去っていってしまった。


私とカール様はポカーンとリヒト様が去っていくのを見ていた。


「私は何か変な事言いましたかね?」

「いや、あいつ、自分で言ってる事わかってるのか?」


と同時に言って、2人で顔を見合わせて笑ってしまった。


「カール様、本日はありがとうございました。お時間を取らせまして、アンナがすぐ戻ってくるので、お仕事に戻ってくださいね」


「殿下の指導日は午後も予定を入れていないんだ。気にしなくても大丈夫だ。それより君の侍女がきたら、寮まで送って行こう」


私はカール様と少しでも長くいられるとちょっと嬉しくなってしまった。


カール様はまた私の焦げた髪を見ながら

「髪の毛だって、女性には大切なものなのにな」と呟いた。


アンナが戻ってきたので、私達は帰り支度をしてカール様に送っていただいた。


「カール様、私のせいでお昼の時間が取れませんでしたね。またお弁当があるのですが貰って頂けませんか?今回は私が自分で作ったので、お味の方は前より落ちるかもしれませんが」


「本当に良いのか?ありがたく頂く事にしよう、それとこれを」


カール様はポケットから綺麗にアイロンをかけられた布を出してきた。


「前回の弁当が包まれていた布だ。落ちて汚れていたので、使用人に頼んで洗濯してもらった」


「そのままでよろしかったのに」


「そう言う訳にも行かないだろう。2回も

ご馳走になったしな。次回はきちんと礼をさせて頂く」そう言うとカール様は颯爽と去って行った。


思わず私は手を合わせてしまった。


「お嬢様、拝んじゃダメですよ」


「え、だって尊すぎる。生カール様がやばすぎる」


「まあでもイベント成功おめでとうございます。


「良かったわ、リヒト様が入ってきた時どうしようかと思ったけど、あれでカール様がレイチェルに同情したと思うので万々歳ね。あとはうまい事リヒト様が婚約破棄してくれると良いけど。まああの様子なら大丈夫ね、あれも魅力の魔法のせいなのかしらね。あとは聖女と王太子の親密度がチェックできればね」


「あ、良いのがあります。卒業パーティーのドレス」とアンナが言った。


「それよ!じゃあマダム・リシューのお店に行かないとね」


私とアンナは週末になると、マダム・リシューのお店に向かった。ここは上流階級のドレスを扱うお店だ。メグさんはは男爵令嬢なのでこのお店で買い物はできないが、好感度が上がっていれば王太子がドレスをメグさんの為に注文しているはずだ。


私達がお店に入るとマダム・リシューがすぐに挨拶に来てくれた。


「まあレイチェル様、今日はどうなされました?レイチェル様のドレスはもうほぼできて、来週にはお届けできると思いますよ」


「ありがとう、一緒に合わせる装飾品を見に行きたいので、もう一度ドレスを見せてくれる?」


「かしこまりました、ただ今は工房の方にあるので、お見苦しい所ですがそちらでも良いでしょうか?」


「勿論よ、急に来てごめんなさいね」


これはかえって好都合かもしれない。


工房では10人ぐらいの職人がドレスを縫っていた。私のドレスは一際目立つ赤のドレス。職人が黒のビーズを縫い付けているところだった。


今にも悪役令嬢ぽいドレスね。


隣の職人はブルーのドレスを縫っていた。金の刺繍もされてかなりの高級品だ。間違いない、これはリヒト様が聖女の為に作らせているドレスだ。自分の色全開とか、リヒト様もやるわねえ。


よっしゃーー!!


私はニコニコとそのドレスを見ていたが、マダム・リシューの表情は固い。そりゃそうよね、王太子の婚約者が王太子の秘密の恋人のドレスを見ていたら、生きた心地しないわよね。


「ありがとう、私のドレスを素敵に仕上げてくれて、これでイメージが固まったわ」


マダムはほっとした表情になり、私達を見送ってくれた。


「さあ、アンナ!ジュエリーのお店に行きましょう。私は新しいネックレスが欲しいわ」


「あら我儘悪役令嬢ぽいお金の使い方でいいですね。高いの買っちゃいましょう」




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