【プロットタイプ】熱い奴
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
夢中になる程、うるさくなる。
創作部の活動は様々であるが、その中の一つに読み合いがある。互いの作品を読みあって、感想や批判を言い合うものである。
そこで何時もの様にキャップの着いた鉛筆で指摘を入れていた。
――此処、分かりにくい。もう少し描写か分かるように。
――この二人の関係は? どうやって好きになったの?
――此処、整合性が取れてない。
気になる部分を謎理論ながら、そう片っ端から指摘していった。
すると相手の方が口を開いた。
「そこまで求めてないんだけど」
その一言に思わず手が止まる。視線が相手の原稿から顔に移る。顔には大きな文字で『迷惑』と書いてあった。
「私は作品の完成度とか全く求めてない。楽しく書ければそれで良い。だからアァだこうだ言わないで。適当に『面白かった』の一言だけで良い」
其れを聞いた時、絶対にこの人とは分かり合えないと思った。分かり合いたくもないと思った。そしてこのまま行ったら仕様凸は免れないとも。
ダカラ一度ペンを置き、冷ややかな声でこう言った。
「そ、面白かったよ。特にこの辺」
辛うじて、自分の中で良いと思った部分を指摘して、何とか気持ちを押し殺した。
あの行いが正しいか、正しくないかは分からない。ただ自分の信念からは遠い事はよくよく分かっていた。
周りから指摘された部分を読み直していると、帰り支度をしていると部長が声を掛けてきた。
「悪いな。彼奴も悪気はないんだよ」
「いえ……別に」
別に人の物語に対してケチを付けたかった訳じゃない。ただ執筆する側にとって、作品と言うのは自分の生き写しなのだ。其れを蔑ろにして良い訳がないと思っている。
「お前、前々から見ていて思ったんだけど、結構熱い奴なんだな。何時も飄々としていて、掴みどころがないけど、人当たり良くて、部員とも上手くやれてるから、つい指導を任せちまった」
「其れは別に気にしてません。ただ……くどく言われたくない人の添削はしたくない。……絶対に口うるさくなってしまうので」
これで良い。無理矢理関わる必要がない。特に信念が異なる人ならば。
お兄さんが妹に教えたがらない理由が不明だったので、此処を強固にしたいと思って書きました。
兄さんの熱意はプロに匹敵する程あると思ってます。
だから作品は自分の生き写しとも思っていそう。
それぐらい大切なんです
其れを相手が蔑ろにしているのをみたら、やるせなさが全面に出るよなぁと。
今は時間が迫っているので、これぐらいに。
明日も浮かび次第、ネタを投稿します。