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寝室

眠るとき、遮光用のカーテンは閉めない。


夜間照明を点ける習慣がなくて、そもそも外に漏れる明かりが無いから必要ないと思っている。


防犯意識が無いわけではない。

寝室から見える範囲で、近い距離に隣家や道路が無くて、人目を気にする必要の無い環境だから出来ること。


それに、カーテンを閉めないことでもたらされる「良いこと」がたくさんある。


まず一番に、月明かりが差し込むととても明るいし、光源の無い部屋の中では普段は意識しない月の明るさをこれ以上ない程に実感できる。

外を歩いていても、満月の時の明るくて街灯が無くても足元まで良く見えることや、新月の時の暗くて星が良く見えるという経験は出来るだろう。

それが眠る前のベッドの中で寛いでいても感じられる。


照明を付けないということは、視覚から得る情報が制限されるということ。

その代わりに他の感覚が鋭くなるというのは本当で、外からの薄明りしかない部屋の中では生き物の鳴き声が良く聞こえる。


夏に窓を開けて星空や満月を眺めながら聞こえてくるのは、近くの水辺に棲んでいるカエルの大合唱。

秋には虫の鳴き声が響く。

時には賑やかすぎるくらいに響いて来て、今の家に住み始めてすぐの頃は、その音量に驚いたことも懐かしい思い出。


レースカーテンを少し捲れば、暗闇に慣れた目に星が良く見える。

窓際に置いたベッドに横たわって流星を観察する時間は、それが夏でも冬でも、贅沢な過ごし方だと思う。


寝覚めだって良い。

朝、太陽が昇ると同時に部屋が明るくなるから、陽の光で自然に目が覚める。

夏場は特に、アラームより早く起きている事が多い。

あんまり早すぎて、二度寝しては寝過ごすのもよくあること。


寝室は好きな部屋の一つ。

好きな物を置いて、好きな香りを焚いて、好きなインテリアを好きなように配置する。

それだけでも居心地が良い。


目が覚めてすぐの朝。天気の良い日中。窓を開いてレースカーテンが風に揺れているのを見るのも心地良い。

寝室に置いているガジュマルが、迎えた時より大きくなって葉が茂っているのも、良い環境に整えられている証のように思えて嬉しい。


集中して仕事をするのも、趣味を楽しむのも、ぐだぐだと寛いで過ごすのも、大抵は寝室。

リビングで過ごすのも好きだし、キッチンを綺麗にするのも好きだけど、寝ている時間も含めて一番長い時間を過ごしている部屋だ。

居心地が良いのはとても大切。


他の部屋には無い寝室の空気が何から生まれているのかは分からないけど、今感じている雰囲気を壊すことなく居られることが、心の平穏に繋がっていることは間違いない。


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