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あめつち  作者: きまぐれ猫


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侵略

人間は侵略種だという意見がある。

本来、生き物が棲むにはそれぞれに適した環境があって、そこに順応した種が生態系を築き、その輪の中で生きている。

ヒトの場合、世界中の様々な環境で生きられる術があり、他の生き物ほど環境に左右されずにあらゆる場所で暮らしている。

天敵も無く、住みやすいように木々を切り、土地を均して環境そのものを変えてしまう。

自然界には無い物を作り出し、豊かに生きるための技術を得てきた。


その弊害が地球環境の変化に表れ、他の生き物の種の存続を脅かしている。


環境の変化に順応できなければ絶える。それは自然の摂理だ。

ただ、これまでの長い歴史の中でも数限りなく起きて来た自然淘汰とは違い、現代に起きているそれは人間の活動による被害だ。

温暖化は起きていないという人もいるが、永久凍土や氷河が消えつつあること、毎年地球全体の気温が上昇している事実は変えられない。


本来はそこにいなかった外来種が、故意か過失かによらず人の手によって持ち込まれ、その環境に築かれていた生態系が壊れ、絶滅の危機に瀕している生き物がいる。

手元で鑑賞したい、希少な物を手にしたいという人間の欲望によって、乱獲や密猟の被害にあった末に数を減らしている動植物もいる。

そうして姿を消した、もしくは姿を消そうとしている種がある事実が人間のせいでないのなら、誰のせいだと言うのだろう。


今ある便利な生活を手放して地球に負荷を掛けない社会に作り替えることは、とても難しいことなのだろう。

私自身だって、どんな行動をすれば良いのかは分からない。

太陽光パネルを置いていても、自宅で使用する全ての電力を賄えるわけではないし、電気機器を使わない生活を想像できない。

こうして文章を書き投稿することだって、移動に自動車や電車を使うことだって、今や生活の一部になっている。


地震によって一時的に電気が使えなくなったり、移動が困難になったり、大切な人と連絡が取れなくなった経験をした。

それは私だけではなく、きっと多くの人が経験したことだろう。

あるいは今現在においても、そうした状況下にある人がいる。

そのような不便な生活を自ら選択することが出来るかと問われれば、きっと元の便利な生活を取り戻そうとしてしまうだろう。

この生活が日常になっているからこそ、当たり前の生活に戻ろうという意識が働く。

その意識を変えて行動を変容させるには、相当な理由や動機付けが必要だ。


自分の生活と関わりの無いところで異常が起きていて、他の生き物の存続が危うくなっていたとしても、その解決のために行動を起こせる人がどれだけいるだろう。

その話を聞いて一時的に意識を向けたり心を痛めることはあっても、日常の中で顧みる機会がどれほどあるだろうか。


棲む場所を選ばない、という意味において、確かに人間は侵略的な存在かもしれない。

ただ、別の生き物の存亡を左右する「侵略者」となることは、行動次第で変えられるはずだ。

その方法を、もしくは手段を、考え続けなければならない。


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