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あめつち  作者: きまぐれ猫


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早贄

このところ、カケスやモズが近くで鳴いているのをよく聞く。

特にモズは秋になると高鳴きをして縄張りを主張しているらしい。

鳴き声を頼りに探してみると、屋根の上のアンテナや藪の中から飛び出た枝の先端に止まっている姿を見つけることができる。

今年になって初めて高鳴きを聞いた気がするけれど、家の近くでは初めてにしても、私が聞き分けられていなかっただけなのかもしれない。


モズといえば、有名な習性が「はやにえ」だろう。

木の枝に捕まえた虫や小動物を刺して、冬の餌が少ない時期に備えて食料を貯えるのだという。

スズメより一回り大きいくらいの鳥だが、他の小鳥を襲うこともあるというのだから驚いてしまう。


庭の雪柳が、机に向かうとちょうど目の前の窓越しに見える。

そこに来ていたモズは、おそらく早贄となる獲物を咥えていたのだろう。私と目が合ってもその場をすぐには離れず、枝先を突いているようだった。

雪柳の枝はとても細いもので、早贄に使うには難しそうに見えるが、モズが選ぶのだから良い隠し場所なのかもしれない。

間近で有名なその習性を見られるとは想像したこともなかったから、見ることが出来ただけで幸運だと思う。


カケスも同じく、何羽かで木の上下を行ったり来たり追いかけっこをしているのを見かけるようになった。

ひらひらと飛び回って翼を広げる度に、尾羽の付け根の白い部分が目を引く鳥で、聞こえてくる鳴き声と合わせてカケスだということが分かった。


もちろん「カケス」という鳥の名前は知っていたし、何かでカラスの仲間だと聞いた記憶があるくらいには知識もある。

ただ、名前だけ知っていても、気に掛けなければその存在に気が付かない、居ないのと同じ存在になってしまう。

認識した時に初めて、そこにいるのがただの「鳥」ではなく「カケス」だという事実に繋がる。

そうして様々な鳥類がいることに気付けば、恵まれた豊かな環境に住んでいることを実感するし、私の気持ちも豊かにしてくれる。


毎年、季節ごとに新しく気付きがある。

それはもしかしたら、単に気が付くようになっただけではなく、こうして身近なことを書くようになったことも関係しているのかもしれない。

知ったことを自分の中に貯えるだけでなく、文字にして書き出す作業をすることで、また新たなことに目を向けたり、知ったことをもう少しだけ調べてみようと思うのだろう。


日々大きな変化が起こらなくても、自分が目を向けて気が付くだけで、身近なところでさえも沢山のことを知るきっかけに溢れている。

それってとても楽しい事だと、最近は特に実感している。

こうして書き表しているのも、例え同じ対象に興味が無かったとしても、知って視界が広がるその楽しさを共有できれば良いな、と思うからなのかもしれない。


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