アマガエル
庭には様々な生き物がいる。
中でも身近によく見かけるのはアマガエルだ。
アマガエルというのは夜行性で、基本的に昼間は人目につかない場所で休んでいる。
葉っぱの影だとか、芝生の中だとか、見付けようと思って探さなければ、あるいはカエルが動かなければ気付かない様な場所だ。
我が家に来るアマガエルたちの好む場所は、少しだけ変わっているように思う。
リビングの庭に面した掃き出し窓の外には、ウッドデッキを設えてある。
そのウッドデッキに毎日のように数匹のアマガエルがやってきて、日中の時間を過ごしている。
柵の手すり部分だったり、床面の板と板の間だったり、特に今年のカエルたちが好んでいるのは布団ばさみの凹凸の中だ。
アマガエルからすると、人が生活する家と繋がった場所だから、天敵となる鳥やヘビが簡単には襲ってこないし、凹凸のおかげで日中の日差しも遮られる。雨が降った後などは、布団ばさみに少しだけ水が溜まっているのも良いのかもしれない。
今の時期、ウッドデッキの横に大きく育ったシュウメイギクの茎や葉にも隠れることができるから、休むのに適した環境なのだろう。
観察していると、身近で見ることで初めて知ったことがいくつかある。
昼間はほとんど同じ場所から動かず、時には目を閉じて寝ている姿もよく見る。そうかと思えば、夕方の薄暗くなる頃になると動き出して庭の芝生に跳ねていく。
その様子を見て、夜行性なのだと気が付いた。
考えてみれば、春に賑やかすぎる程の大合唱をするのも夜なのだから、もっと以前に気が付くことは出来たのだろうけれど、きっとそこまでの興味を持っていなかった証拠だろう。
他にも、カエルという生き物は脱皮をする。
口を大きく開閉しながら体をもぞもぞと動かしているのを見た時、初めは何かを吐き出そうと藻掻いているのかと心配になった。
実際にはそれが脱皮をしている時の仕草で、確かにしばらくすると全身が艶々と綺麗になっていた。
脱皮をする生き物だと思っていなかったから、知った時には驚いたけれど、そもそもオタマジャクシから変態していることを考えれば脱皮も不思議ではない。
何気なく近くで生きているカエルにも、知らないことは沢山ある。
アマガエルも、毎日見ているとある程度は個体を見分けられるようになる。
大きさはもちろん、色味や模様の有無など、個体によって少しずつ違っているのだ。
それこそ脱皮したばかりの個体は綺麗な肌をしているのが目印になる。
そうして見分けが付くようになると、多少なりとも愛着が湧く。
毎日のように近くにやってくる姿を見ているのも、日々の楽しみの一つになる。
まあ、もう少し寒くなれば土に潜って冬眠するだろうから、それまでの間に限られるのだけれど。
今はもう稲刈りも済んで水を張っていないけれど、近くに田んぼがあることが棲み良い環境なのは間違いない。
毎年の恒例になりつつあるアマガエルたちの見守りが、来年も続くことを楽しみにしている。




