表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あめつち  作者: きまぐれ猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/31

ホオジロ

最近、新しく知った鳥がいる。

ホオジロという鳥だ。


遠目に見たらスズメと同じように見える。

集団で畑や田んぼに飛んできて、大きさもスズメと同じくらい。ホオジロという鳥がいることを知らなければ、見分けられないだろう。

実際に、これまでずっと見分けられていなかった。


見分けられるようになったのは、目の前に飛んで来たから。

正確に言えば、窓越しに目の前のフェンスに留まったのを見たのだけれど、スズメとは明らかに顔の模様が違ったので、そこで初めて目の前の鳥がスズメではないと気が付いた。


スズメではない鳥がいると気が付いてからは、それがホオジロであると知るのは早かった。

撮った写真で検索すれば、直ぐに候補が出てくる。

姿形の違いが分かっただけでなく、よく観察すれば鳴き声が違うことにも気が付いた。


沢山の野鳥の鳴き声が聞こえてくる中で、ホオジロの存在を知らない状態でその鳴き声を聞き分けることは難しい。

例え聞きなじみのない声に気が付いても、常に姿が見える場所で鳴いているわけではないから、その場で声の主を特定できることは稀だ。

ホオジロに限らず、近くで鳴いている声がどんな鳥の物か知らないままのことが多い。


ここのところ聞き分けられるようになったのは、エナガとヤマガラ、アオゲラにホオジロだ。

エナガとヤマガラは庭木に遊びに来るようになり、鳴いている所を見て声が分かった。


アオゲラに関しては、木をつつくドラミングの音でゲラ類が近くに棲んでいることは知っていたが、コゲラと一緒に家の近くの木に姿を見せたことが鳴き声を調べるきっかけになった。

調べて初めて聞き覚えのある鳴き声だと気付くのだが、アオゲラのものだと知るまでは、その声を聞いて猛禽類の幼鳥でも鳴いているのかと思っていた。


新しい変化として他にも挙げられるのは、ツグミが庭に来るようになったこと。

名前は聞いたことがあるけれど、それがどんな姿形なのかは知らなかったツグミ。

越冬のためにシベリアから日本に飛来する渡り鳥であることも、調べて初めて知った。


ヒヨドリほどの大きさがあるから、これまでも来ていたなら見逃すことはないだろう。

今年に入って初めて庭に現れたのは間違いない。


虫が出始めた芝生の上を、少し歩いては胸を張るように立ち止まって虫を探す、という行動を繰り返す。その仕草の可愛らしさに、見つけると思わずじっと観察してしまう。

窓越しにそんな人間がいることには気付いていないのだろう。日に何度も、毎日のように見かけるようになった。


モズも、これほど田畑に囲まれた場所なのに見かけないと思っていたら、最近になって家の近くで見るようになった。

ホオジロと違うのは、モズという鳥を知っていて探す気があったのにも関わらず見つけることが出来なかった点。それが見分けられるようになったのだから、ちょっとした成長だ。


たぶん知らなかったからと言って人生に大きな影響を与えることのない些細な変化だろう。人によっては、それが分かるようになったから何になる、と思うのかもしれない。


私が昔から羨ましく思うのは、楽器を演奏できる人。

例えそれを職業にしていなかったとしても、ただの趣味でたまに演奏するというのであっても、プロになるだけが道ではないし、演奏できるだけでその人の人生が豊かなものだと思うからだ。


今の自分が得ている知識も、きっとそういう人生を豊かにしてくれる類のものなのだと感じている。

知識が増え、少し前まで知らなかったことを知り、気付けなかったことに気付けるようになった今の自分は、以前と比べて生活が豊かで楽しいものになっている。それは紛れもない事実で、この知識が何かに活かせるものでなければ意味が無いとは思わない。

違うと否定されたとしても、私が今感じている日々の楽しみを無い物にすることは誰にも出来ないのだから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ