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03『衝撃と畏怖』作戦始動 地図付き

 

「さて、どの国が襲って来たにせよ対策を練らないとね」


 ヴェール大公は、暗くなった雰囲気を払拭する様に明るく言う。


「先ずは近隣の軍に警戒を厳にする様に伝えてくれ。それと主力の我々も念の為に引き返すべきだね。

 主力を引き戻すのが敵の狙いだとしても、此処で引き返さない選択肢はない」


 ある程度の部隊は戦線維持の為に残し、他の部隊は撤退する事が決定した。


 因みに魔導兵は11段階に階級が分かれており、ヴィンラル合衆国が世界最強と言われるのは、世界一多くの魔導兵を保有しており、伝説上の魔法使いの祖と言うべきドゥクス級の魔女ヴェアトリーチェの子孫であるレガトゥス級の魔法使い7人で構成された国家である為である。


 レガトゥス級は一人で軍団と相当する力を持つ強力な魔法使いである。


 この世界では、魔法を使うのにはサブマオリクトと呼ばれる鉱物が必要である。


 新大陸にあるヴィンラル合衆国は世界最大量のサブマオリクト産出国である為に、多数の魔法使い=魔導兵を保有している為に、世界最強の国家として認知されているのである。


 閑話休題。


 ヴィンラル合衆国軍が引いて行った事により、戦線が崩壊しかけていたアルニア連合王国軍は立て直しを計った。


「どう言う事だ?」


 アルニア連合王国軍の司令部は困惑していた。


 今回の奇襲は極秘作戦の為に、知らされていなかったのである。


 そこに魔導通信が入る。


「どうやらエスペランド帝国が北部のヴィンラル合衆国の基地を強襲した様です」


「なんと」


「最初に話を聞いた時は不可能だと思っていたが、聞いていた以上にエスペランド帝国は強力な国の様だ」


「その様で。ジャーナンド帝国よりも進んでいる様です」


「ほう、ジャーナンド帝国よりも」


 談笑していると、通信士から報告が入る。


「どうやらヴィンラル合衆国軍は、北部に向けて主力の殆どを向かわせた様です」


「ならば我々も動くとするか」


「しかし今は戦線を保つ事で精一杯では?」


「これは千載一遇の好機ぞ?我々の領土はやはりアルニア人が取り戻すべきだろう?」


 その言葉に他の者達も頷く。






 ■■■■■


 ==アルニア連合王国北部==


 浜辺に上陸したエスペランド帝国軍は、ヴィンラル合衆国の基地を破壊した後、近くの港町を占領し、そこに続々と輸送艦がやって来て、兵士達を降ろしていく。


 港町周辺には強固な防衛陣地や塹壕を幾重にも掘り、ヴィンラル合衆国軍の襲来を警戒していた。


 そうして上陸したエスペランド帝国軍2万は、ここで橋頭堡を確保しつつ、本隊が到着するまで耐えるのではなく、既に動き出していた。



 第63機甲師団は、東回りのルートで爆進していた。その部隊を援護する任務がリゼルの第301大隊に与えられた。


 第63機甲師団に与えられた任務は、アルニア連合王国北部最大の港町であるイレストバックの奪還である。


 しかし流石に機甲師団一つでは、難しい為にジャーナンド帝国軍も連動して動く手筈である。

 既に強襲作戦成功の連絡はジャーナンド帝国に伝わっており、アルニア連合王国との陸続きの場所から、イレストバック方面に向かってジャーナンド帝国に僅かに4つしかない機甲師団のうち一つが向かっている予定である。


 第63機甲師団と第301航空魔導士大隊以外の、エスペランド帝国軍は橋頭堡の確保と陽動部隊による南西方面への進軍である。


 更に戦艦の一部が、イレストバック方面に急行しており、沖合から艦砲射撃による援護を行う手筈である。


 イレストバックを奪還出来れば、ジャーナンド帝国西方を占領しているヴィンラル合衆国の後方を確保でき、補給を絶ち干上がらせる事が出来る。


 今回は速さが大事である。

 ヴィンラル合衆国が対応出来ない速度で動く事が大事である。


 エスペランド帝国について、知らないヴィンラル合衆国に与える衝撃は今回が最大であろう。


 その為に今回の作戦名は『衝撃と畏怖』である。


 閑話休題。


 第63機甲師団と第301航空魔導士大隊は、途中にある街は無視してひたすらイレストバックを目指す。






挿絵(By みてみん)



 黒・エスペランド、ジャーナンド、アルニア


 白・ヴィンラル


 赤丸・イレストバック




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