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仮面カイザー戦記  作者: 通 行人(とおり ゆきひと)
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第5章(ヒーローサイド) 卑劣! JOKERの罠!!

 5-①


 ポイントG-3から救出した士多君をアパートに残して、部屋を飛び出した私は、怪人の気配を追って街外れの廃倉庫にやって来た。倉庫の前にシルバーバレットを停車させ、廃倉庫の入り口の前に立つ。倉庫の奥から怪人の気配がひしひしと伝わってくる。やっぱり・・・これは私が奴らと同じ存在だからなのか。

 考えても仕方ない。今は、怪人を撃滅する事だけに集中しなければ。

 怪人の気配を追って、倉庫の中に侵入する。そして、倉庫の中央に差し掛かったその時だった。

「今だっ!」

 野太い声とともに、入口付近に潜んでいた二人の戦闘員が鉄扉を閉め、そして、倉庫の奥の方から飛んで来た粘液が左右の扉の取っ手を覆った。粘液は一瞬でガチガチに固まり、扉がロックされてしまった。

「くっ、閉じ込められただと!?」

 倉庫の奥から、ブラックローズと、フード付きマントを頭からすっぽり被った怪人が現れた。更に、先程倉庫の鉄扉を閉めた二人の戦闘員がそれぞれ私の左右の斜め後ろに立ち、私は周囲をぐるりと取り囲まれてしまった。小癪な真似を・・・

「ふっふっふ・・・かかったな仮面カイザー!」

「もう逃げ場はないわ、覚悟しなさい!」

 ブラックローズが得意気に胸を張って、ニヤリと笑った。

「みんな、行くわよ! フォーメーションα・・・」

「エスカルゴン行きます! うおおおおお!」

 ブラックローズの隣にいた怪人がフードを脱ぎ捨て突進して来た。

「カイザーフェンシングーっ!!」

「ギャアーッ!!」

 グオゴゴゴと突っ込んで来た怪人をカイザーフェンシングの一撃で灰塵に帰してやった。

 私とした事が、怪人のあまりの気持ち悪さに、ポーズを取るのも忘れて脊髄反射的に必殺技を叩き込んでしまった。

 私はカイザーブレードを左腰に納めると、怪人を倒されて動揺しまくっているブラックローズ達の方を向いた。

「きょっ、今日はこれくらいで勘弁してあげるわ。二人とも撤退・・・って、とととと閉じ込められただとぉぉぉっ!?」

 この場から逃げ出そうとしたブラックローズと二人の戦闘員が、怪人の吐いた粘液でロックされた扉を見て悲鳴を上げた・・・・・・アホかコイツら。

 まぁ良い。逃げ道は連中が自ら絶ってくれた。後はコイツらをじっくり締め上げて、内通者を吐かせるだけだ!!

 ・・・そして、追いかけっこが始まった。

 運動オンチのブラックローズなら1分もかからずに簡単に捕まえられると思っていたのだが、私はブラックローズをなかなか捕らえられずにいた。コイツら・・・動きが良くなってる!?

 そして、鬼ごっこ開始からおよそ5分が経過したあたりでJOKERの連中が反撃してきた。

 私の左右に立った戦闘員達が雄叫びをあげて私の足元に鉄パイプを執拗に繰り出してくる。

「うわっ!?」

 私は、執拗に繰り出される足払いを躱しきれずにうつ伏せに転倒してしまった。まずい、背中の装甲はさっきのカマキリ怪人との戦闘で亀裂が・・・

「喰らえぇぇぇっ!」

 急いで立ち上がろうと顔を上げた時、ブラックローズが紐をぐるぐるに巻き付けた棍棒のような物を振りかざして突進してくるのが見えた。そして、ブラックローズの棍棒が背中に叩きつけられた瞬間、全身に激しい痺れを感じ、私は意識を失った。








「・・・・・・・っ!!」


 何だろう・・・?


「・・・・・ぇーっ!!」


 誰かが、呼んでる・・・?


「頑張れぇぇぇーっ!!」


 この声、どこかで・・・この声は・・・


「頑張れぇぇぇーっ!!」

「頑張れぇぇぇーっ!!」

「頑張れぇぇぇーっ!!」


 ・・・恵ちゃん!! 正木君!! 竹内君!!


 私は、目を覚ました。私は一体・・・そうだ、ブラックローズの攻撃で意識を失って・・・

 危ない所だった。ここにいるはずのない恵ちゃん達の声が聞こえたのは、意識が混濁してたせいで聞こえた幻だったのかもしれないが、友達の必死の応援が私の意識を地獄の淵から戻してくれたのだ。

 大事な友達を悪の秘密結社の魔の手から守る為にも、私は・・・倒れるわけにはいかない!!

「う・・・うおおおおおっ!!」

 全身に力を入れて立ち上がった。

 左腰のカイザーブレードを手に取り、展開する・・・・・・さっきのお礼をしなくては!!

 逃げようとするブラックローズ達を倉庫の角に追い詰めた。カイザーブレードを上段に構えてカイザースラッシュの構えを取る。

「必殺っ・・・カイザァァァ・・・」

「ククク・・・」

 カイザーブレードを頭上に振り上げた所で、戦闘員の一人が突然笑い出した。

「ハーッハハハハ、かかったな仮面カイザー!」

 私は、カイザーブレードを振り下ろそうとしていた手を止めた。

「お前は俺達の作戦にまんまと嵌ったんだ。お前が俺達と戦っている間に、仲間が城山高校の上原恵の席に、新兵器スーパーデンジャラス爆弾を仕掛けた。爆発すれば半径10万kmは一瞬で消し飛ぶ! 今からちょうど10分後だ。こうしている間にもタイムリミットが迫っているぞ!」

「くっ、何て事を・・・お前達の思い通りにはさせない!」

 カイザーブレードで鉄扉をぶち破り、外に停めて合ったシルバーバレットに飛び乗った。学校に仕掛けられた爆弾を解除しなくては!!

 残り時間は9分を切っている。私は、シルバーバレットのアクセルを全開にした。

 そして、2-bの教室にたどり着いた時には、残り時間は10秒を切っていた。もはやスーパーデンジャラス爆弾を解体する時間はない。こうなれば一か八かだ。

「な・・・南無三ッ!!」

 私はカイザーブレードを恵ちゃんの机に振り下ろした。爆発こそしなかったが、真っ二つになった机の残骸から、真っ二つになった、テニスボールくらいの大きさの銀色の球体が転がり出てきた。これが・・・スーパーデンジャラス爆弾なのか?

 手を触れようとした瞬間、銀色の半球は氷が溶け出すようにみるみる液状化し、最後には蒸発するように消滅した。

 アイツら・・・こんな恐ろしい物を!!

「許さん!!」

 私は大急ぎで廃倉庫に戻ったが、ブラックローズ達の姿は消えていた。


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