朝起きたら……。
朝起きたら夜だった。
朝でも無く昼でも無く夜だった。
毎日部屋の電気は付けずに真っ暗にして寝るので、部屋は暗闇に包まれていた。
手探りで携帯を探すが、なかなか見付からない。ベッドから落ちてしまったのだろうか。
携帯をあきらめ、電気を付けようとした。
電気の紐になかなか手が届かない。
そこで、つい最近紐が切れてしまったことを思い出した。
電気をつけることもあきらめ、再び毛布に包まりながら、考える。
本当に自分が寝過ごしただけなのだろうか。
昨日はいつもより早く寝た。その日の朝に遅刻をしたからである。
上司には、次は無いと思えと釘を刺されたし、いくらなんでも二十時間も寝るのは無理だ。
もしかしたらなんらかの理由で、地球が自転しなくなったのかも知れない。
年中昼の国はまだ良いと思うが、夜の国は非常に生活し辛い。
また、太陽の光が地球に届かないようになってしまったのかも知れない。
嫌な予感がする。
僕は飛び起き、電話の方に向かった。
やはり、留守電が入っている。
念のため、光が点滅しているボタンを押すと、案の定上司の怒鳴り声が聞こえた。
明日からは、ハローワークに遅刻しないようにするとしよう。
そして、一番楽な仕事を見つけよう。
そんな不可能な目標を胸に抱きながら、ベッドに戻り、目を閉じた。