第5話 最…強…?
初回クエスト。
アザ…アザレア?とパーティーを組んで二日がたった。
その間、いろいろあった。
オレは宿暮らし。アザレアは自宅があるよう。
本当はオレもアザレアの家で寝泊まりしてちゃっかりあわよくば朝チュンしたかったが、下心がばれたのか、拒否されました。
とりあえず…
「初クエだぁ!」
アザレアがオレの隣ですがすがしい顔をして立っている。
「嬉しそうだな」
「まぁそりゃ初クエストだから!」
初クエストは…この時期になると繁殖期を迎えるコトカゲの討伐ミッション。
ノルマは20匹。一匹倒すと報酬で50クレジットもらえるらしい。
クエスト報酬は300クレジット。
つまり合計1300クレジットもらえる計算だ。一日でオレの鍛冶屋での三か月の努力分が稼げるなんて…最高すぎる!コトカゲは食用にもなるらしいから、何匹か持って帰って丸焼きにして食べてもいいなぁ。
そんな妄想をしていると、アザレアが遠くの丘を指さした。
「シュン!あそこにいるのがコトカゲだ!一匹でいるからチャンスだぞ!」
オレはそれを聞いて、腰から剣を引き抜いた。
真剣モード!
「了解!」
なんかオレよりアザレアのほうがリーダーっぽいが…まぁいいか!
突撃!オレはパッと後ろを振り向いて気づいた。
「アザレアの奴…動いていない?」
オレは前を向いて気づく。目の前にコトカゲの群れ。
丘の奥に隠れていて見えなかったんだ…!
「あなたは、死にました」
「デスヨネー」
惨敗。そして適当な再復活。あのクソ女神は…
再びアザレアの隣に。
オレは硬直していたアザレアに話しかけた。
「なんで動かない?」
「そこが問題なんだ。私実は、練習ではしっかりとフルパワーを出せるんだがな…。実戦では緊張して動けないんだ。だからパーティーに入ってもすぐ追い出されてしまうんだな!」
アザレアは作り笑いで笑い出す。
訳アリハイウィザードってことだ。
クソ、上級職が入ってきたから最強パーティーかと思ったのに!
オレはため息をついてさっきの丘の方向を見つめた。
ん?コトカゲが…!
「アザレア!コトカゲがこっちに気づいたぞ!リラックスして!なんでもいいから強い魔法はなってくれ!深呼吸~!」
オレの額には冷や汗が。
アザレアは笑いをやめて石になる。
どうにかあいつらを倒さないと!
「アザレア!お前が頼りなんだよ!初心者冒険者なめんな!イニッツィオに無事に帰ったらオレのお金で好きなもの買ってあげるから!」
アザレアの硬直が砕けた。
アザレアの目は急激に光りだす。
「なんでもか。何でもといったな!なんでもだな!よーし!しょうがない、最上級の魔法をうってやる!」
アザレアが杖を天に掲げる。
「天と地を揺るがすものよ。我が膨大なる力を前に、我が力にひれ伏すがいい!その力をもって、愚民どもを制圧せよ!『ブラックホール』!」
光が消え、地の草が吹き飛び、無数のコトカゲの群れの上空には、黒い球が現れた。
コトカゲはすべて、同時に、きれいさっぱり、その球に飲み込まれた。
球は空高く上がっていき、やがて虹色の星をまき散らし、爆散した。
その光景は、美しく、恐ろしくも思えた。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
アザレアの魔法が強すぎて報酬がピンチです……。
もし『シュン、頑張れ!』と思ってくれたら、下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価していただけると、ブラックホールで消えた報酬の代わりに僕のやる気が爆発します!




