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羽ばたく小鳥は猫とゆく  作者: 久遠


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6

タイトルがぜーんぜん思いつかない!

ギルドの扉を開け受付に向かう

シエルは物珍しそうにキョロキョロと首を動かしながら感嘆の声が口から漏れている

(沢山いろんな匂いが!あれはなんでしょう?あっちは??)

その様子を横目にカウンターに近く


受付嬢「おはようございます、

本日はどのようなご要件でしょうか?」


黒猫「こいつの仮登録」

小鳥「はい!小鳥の仮登録です!」

 受付嬢「かしこまりました。身元引受人の方はどなたになりますか?」

黒猫「私です、シュヴァルツと申します。」

受付嬢「承知しました。それでは、必要事項をご記入ください。お名前、生年月日、技能や得意分野など…」

小鳥「はい!シエル、小鳥です!後20日くらいで誕生日です!得意分野は料理と観察です!」

黒猫「……食べるのも得意だろ?」

小鳥「えへへ、まあまあ、そうですね!」


受付嬢「ありがとうございます。それでは仮登録完了です。誕生日を迎えましたら本登録手続きをお願いいたしますね。」っと微笑む受付嬢さん


黒猫「ふぅ…やっと済んだか。」

小鳥「やったー!お姉さんありがとう!」

そう言ってギルドを後にする


「そういえば、黒猫さんは一人称俺とかじゃないんですね?公私分けてるんですか??」

 黒猫「……ああ、まあ、そういうもんだ。公と私で使い分けるってやつだな。」

小鳥「へぇー、なんだか大人ですね!小鳥はまだまだ“小鳥”とか“私”とか言っちゃうんですよね…」

黒猫「ふん、子供のうちはそれでいい。だが、使い分けできると世界が少し見やすくなる。」

小鳥「なるほど!じゃあ、小鳥も少しずつ覚えます!」


黒猫は小鳥をちらりと見て、柔らかく目を細める。

黒猫「まあ、お前は無邪気でいい。それも一つの強さだ。」

小鳥「ふふっ、ありがとうございます!黒猫さんの強さ、少し分けてください!」


 黒猫こと、シュヴァルツはふと

シエルの眼はどことなくあいつに似てる…

夜空にきらめく星のようにキラキラしているのにな…

 シュヴァルツは静かに目を細め、ふと思う。

「……あいつに似てるな、眼の奥の光が。無邪気で、真っ直ぐで、でもどこか、壊れやすそうな輝きだ。」


夜空を思い浮かべ、星たちは瞬き、シエルの瞳もまた、あの遠い誰かの面影を映しているように煌めく。

シュヴァルツは言葉を飲み込み、ただそっとその輝きを見守る。


小鳥は振り返って笑顔を向ける。その笑顔に、シュヴァルツの胸の奥は少しだけ痛む――けれど、それは懐かしい痛みで、温かい。


 露店や出店の並ぶ通りに進みながら黒猫は聞く

「小鳥の里は何処にあるんだ?」

「えっとですね、この街から歩いて行くと18日くらいですね!なので携帯食の追加と、通り道すごく寒い場所があるので防寒着をちゃんとしたの買わないとですね!寒くて死にます!ホットスパイスとか、お酒とか、買っておかないと…!」


 シュヴァルツはシエルの説明を静かに聞きながら、眉間にわずかな皺を寄せる。


「半月と3日か……歩き通すには長いな。携帯食、防寒着、ホットスパイスか……なるほど、準備は万端にしておくべきだな」


シエルは目を輝かせて続ける。

「ええっ!あと、途中に小さな商店街があるんですよ!ホットスパイスはそこで買えます!お酒もね、種類豊富です!黒猫さん、寒さ対策と栄養補給はしっかりですよ!」


シュヴァルツは小さく笑みを浮かべ、肩に掛けたマントをぎゅっと整えながら言う。

「……ふむ、わかった。お前の言う通り、寒さで凍えずに済むなら準備は怠らない。」


シエルは得意げに胸を張り、小さな冒険の始まりにわくわくした表情を見せる。

「じゃあ、早速街の準備を済ませて、里までの道のりを安全に進みましょう!」


シュヴァルツはその背後から、夜空を見上げてひと息つく。

「……いつかきっと、無事に着ける日が来るだろう。」


 シュヴァルツは小鳥――いや、シエルの言葉に軽く眉をひそめつつも、心のどこかで微笑む。


手に持ったリストを軽く確認しながら、街の雑踏を歩くシュヴァルツは、無口なままも、シエルの元気さと詳細さに感心している。


シエルは慌てるように手を動かしながら、街の露店や道具屋を指差して言う。

「ほら!ここで防寒着、あっちでホットスパイス、それから…あ、通り道で凍りやすい橋があります!気をつけてください!」


シュヴァルツは軽く頷き、無言のまま荷物を背負い直す。

「分かった。死なないようにな。」

その短い声には、シエルに対するちょっとした優しさと、守るべき対象としての意識が滲んでいた。


シエルは嬉しそうに跳ね、楽しそうに周囲を見渡しながら買い物を始める。

「よーし!黒猫さん、荷物重くなるかもしれませんけど頑張ってついてきてください!」

シュヴァルツはその笑顔を見て、内心で小さくため息をつきながらも、影のように寄り添う。


 冬は冷たく、灯りの溶けた石畳には人々の声と足音が流れていた。

喧騒の中、小鳥と黒猫はゆっくりと歩き出す。

名もなき旅の一頁が、いま、確かに開かれた。




露店の赤い布が風に揺れ、香辛料の香りが鼻をくすぐる。

シエルは真新しい防寒用のマントを身にまとい、すべすべした毛並みのフードを指先でつまみながら跳ね回る。


「見てください黒猫さん!ふわふわです!

小鳥は羽毛はないですけど、これなら寒くないです!」


シュヴァルツは腕を組み、露店の灯り越しに彼女の姿を横目で追う。

表情は淡々と、だが目元には微かな安堵が灯る。


「……凍えられると困るからな。

お前が動けなくなれば、俺も足を止めることになる。」


「動けますよ!だって黒猫さんについていきたいんですから!」


弾む声が夜を照らす。

その言葉に、黒猫はわずかに息を呑み、問い返すことなく視線を空へ逃がした。

――星明かりが、少女の瞳に宿る輝きとよく似ている。



---


▽ 買い物の戦果


品目個数支払備考


防寒外套 ×1(シエル)12銀貨子犬の毛皮の裏地・軽量

ホットスパイス小瓶250銅貨温めても良、煮込みにも良

携帯食(乾燥果物と干し肉)6日分1銀貨黒猫は少食なので7日保つ

小瓶酒「赤風」180銅貨強め・寒い夜に良い

小瓶酒「麦酒」180銅貨弱い・料理用

空の小瓶 おまけで貰ったので無料


銀貨が消え、袋は少し重く。

けれど、心は不思議と軽い。



翌朝出立する事に決め、宿に向かう

シエルは歩きながら鼻歌を歌い、

シュヴァルツはその後ろを歩幅合わせて静かに進む。


「黒猫さん、明日は橋を渡ります。滑るので気をつけてくださいね」


「……俺じゃなくて、お前が落ちるだろうが」


くすり、と笑いが灯る。

小鳥の軽やかさは、黒猫の影の色を少し薄めてくれる。


二人は商店街を抜け、宿の明かりへと向かっていく。

夜の空気は凛として、その先にある旅路を祝福するように澄んでいた。


小鳥は羽ばたき、猫は寄り添う。

その道が夜に溶けても――二つの影は離れず進む。


「大丈夫です!なぜならあの程度の橋なら里のボロ橋より頑丈です!皆あそこで度胸試ししてるのでへっちゃらですよ!」


 シュヴァルツは眉間の皺をもう一度寄せ、肩越しにシエルを見下ろす。

その目には、ほんの少し呆れた色と、微かな警戒が混ざっている。


「……なるほど。里のボロ橋よりは丈夫、か。

だが、“度胸試し”という表現は、あまり参考にならんのだがな」


シエルは胸を張って、笑顔を浮かべる。

「ほら、怖がりそうな顔してますけど黒猫さん!

きっと実際渡ったら『意外と平気じゃん』って言うんですよ!」


「……俺はそんな軽い感想は言わん。

落ちないように渡る、それだけだ」


その声は低く、冷たい冬の夜気の中でも温かさをほんの少し帯びていた。

シエルは小さく頷き、荷物の重みを感じながらも、元気よく足を踏み出す。

シュバルツの右腕って何処まで無いの?

「肘から先だ、頭に振り落とされた大剣を避けたら運悪く持ってかれたな」曲げられるってさ


麦酒 ウィスキーの香りだけで度数が低いやつだと思って

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