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羽ばたく小鳥は猫とゆく  作者: 久遠 聖
冬の里

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短いけど許して

室内は静まり返っている。光だけが脈打つように揺れて、ヒバリの体を包んでいる。

俺はじっと座り、手をそっとヒバリの手に添えた。暖かい、けれどまだ危うい温度。

指先から伝わる微かな鼓動に、息を止めて確かめる。呼吸も浅い、魔力も限界に近い。

この手が、ほんの少しでも支えになればいいのに――そう思いながら、心の中で祈る。

ヒバリはくたりと羽を広げ、魔力が抜けていってる…。シエルは翼を震わせながらも全力で支え、ユラやシェリルは動き続ける。俺は何もできないわけじゃない。ただ、そばにいるだけでも意味はあるはずだ。

けれど内心、胸がぎゅっと締め付けられる。

もし――もしこのまま、戻ってこなかったら。

その想像が頭をよぎるたび、手のひらの汗が増して、指先が震える。

でも俺は動かない。逃げもしなければ、叫びもしない。

目の前で命を削っているヒバリのために、俺ができることは、そっと握るこの手でつなぎ止めることだけだ。

体温が上がるたび、鼓動が少しずつ戻るたび、胸の奥で小さく安堵が生まれる。

その安堵は、恐怖と交じり合って、苦くて甘い――まるで風の中の煙のように、胸を巡る。

「戻ってこい…」

心の中で繰り返す。声に出せないけど、握る手に、目に、全ての力を込める。

ヒバリが産んだ卵も、その小さな命も、全部――俺が守る、俺たちが守るんだ。

誰も倒れさせない。誰も置き去りにはさせない。

静かに、けれど確かに。ヒバリの瞳が開く瞬間を待ちながら、俺はそっと誓う。

「よかった…まだ、帰ってこれる」

胸に込み上げる熱が止まらない。涙ではない、汗でもない、ただ――生きていてくれてよかった、という熱。

そしてその熱が、俺自身の鼓動となって、そっとヒバリに届くように祈った。

俺は前に出るタイプじゃない。派手な魔法も声も出さない。

でも、この手、この目、この胸――全部で、命を守ることができる。

ヒバリ、戻ってきてくれ。俺の番に、不完全なんて言葉は必要ない。

お前がここにいる――それだけで、俺は十分だ。

守ることが、怖いのに、よくやるよ〜

アルヴィン?黙殺!

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