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MHW:ibのセリエナ料理、美味しそうだよね〜
宿の1階は食事処兼酒場の二階建ての普通の宿、その受付でシエルは上を見ながら聞く
「黒猫さん、部屋どうしますかー?」
シュヴァルツは少し間を置いて、低く答える。
「隣同士でいい。小鳥が安全に眠れるなら、それで構わない」
彼の声は淡々としているが、言葉の端々に守る意志が滲む。
小鳥はにこにこしながら頷き、二人分の鍵を受け取り、荷物を持って部屋へ向かう。
シュヴァルツは背後から小鳥を守るように歩きつつ、室内に入ると、荷物を整えながら部屋の安全を静かに確認する。
火の元や窓、扉の状態――習慣的に行う動作に、過去の戦場の癖が残っている。
シエルは部屋に荷物を置いて防寒着を脱いでローブを羽織り下に降りてゆく
シュヴァルツは静かに階段を降り、宿の食事処兼酒場に入る。
薄明かりのランタンに照らされる木の床は暖かく、冬の冷えた体を少しずつ溶かしていく。
小鳥――シエルはすでに目を輝かせ、席に座りながらメニューを見ている。
「黒猫さん、何か食べたいものありますか?」
その問いに、シュヴァルツは鼻で軽く笑い、煙草の先を火で炙りながら答える。
「…温かいものがあれば十分だ」
二人分の食事を注文し、酒場の雑踏を耳で確かめる。
客のざわめき、皿がぶつかる音、酒を注ぐ音…すべてが彼の警戒の目に入る。
ただし、今夜は戦場ではない。守るべきものは小鳥だけだと、胸の奥で静かに再確認する。
小鳥は黙々とスプーンを動かしながらも、時折シュヴァルツの様子を見つめる。
「…黒猫さん、リラックスしてます?」
シュヴァルツはその言葉に短く目を細めるが、答えは淡い微笑だけ。
それでも彼の横に座る小鳥の存在が、ほんの少しだけ戦場の影を消していた。
食べ終えた小鳥が「よしっ!」と言って席を立ちカウンターに向かう、目線だけで黒猫はソレを見てる
小鳥「おじちゃん!ご飯美味しかった!」そう言いながら"銅貨を数枚、机に置く"
店主「そうかい、どれが1番美味しかった?」
小鳥「うーん、全部美味しかったけど、やっぱり"お肉"かな!知らない味がした!」
店主「あれはうちで配合したスパイスやハーブを使っていてね、必要なら宿を出る時に包むよ」
やったー!っと喜ぶ小鳥
黒猫(料理の支払いに銅貨…?)
シュヴァルツはその光景を座ったまま見て、眉間に軽く皺を寄せる。
(…その程度で十分なのか?)
無言で小鳥の動作を観察しているが、その声には微かに疑念が滲む。
小鳥はそんな黒猫を振り返り、にこっと笑うと席に戻ってきて
「もうすぐ混み合うそうなので部屋に戻りましょう!」
シュヴァルツは一瞬目を細めるが、すぐに視線を外してカウンターの向こうの店主を見る。
その目は計算でも皮肉でもなく、ただ静かに――守るべきものを見守る人間の視線だ。
小鳥の純粋さと、生きるために自分の判断で行動するその力を、心の奥で確かめるように。
「…ああ、まあ、いいだろう」
低く、短く、けれど認めるように呟くシュヴァルツ。
小鳥は得意げに胸を張り、銅貨をそっと手に戻すと、宿の奥の自分たちの部屋へ戻る準備を始める。
シュヴァルツの眉間に軽い皺が寄る。内心は複雑だ。
表向きには「追加?…必要ないだろう」と思うが、目の前の小鳥が楽しそうに食べて喜ぶ姿を見れば、それを否定する気にはならない。
――だが冷静に考えれば、今回の町での滞在費はすでに兵士や宿に支払われている。食事も提供済み。さらに小鳥は銅貨まで置き、加えて肉と香辛料を持ってくる。
シュヴァルツの頭の中で計算が巡る。
「…金銭的には重複している、無駄ではある。しかし――それを楽しそうにやっているのがこの小鳥だ。いや、楽しさの代償としてなら無駄ではない。むしろ、彼女にとっての価値は銅貨の数字じゃない。」
心の奥では、「この子は自分の手で人に喜びを与えることに生きがいを感じている」という確信が芽生える。
それと同時に、過剰な善意や過保護にならないよう、彼女を見守りつつ制御する必要も感じている。
シュヴァルツは軽く肩をすくめ、煙草に火をつける。
「…まあ、いいか。無駄かもしれんが、悪くはない。」
その言葉の裏には、冷静さと保護者としての判断、そして小鳥への静かな敬意が混ざっている。
「ちゃんとポイズンベアと親子を弔いました」っと
黒猫は一瞬、眉をひそめて小鳥を見つめる。言葉少なに、しかし鋭い目で彼女の様子を追う。
「……ふん。弔った、か」
小鳥の真っ直ぐな言葉に、胸の奥で何かが小さく震える。
普段は冷静で無口な彼だが、この瞬間だけは、小鳥の行動の意味と重さが胸に突き刺さる。
黒猫の心中では、野営地での危険な道行きや、ポイズンベアとの戦闘、そして親子の亡骸――すべてがリンクする。
「生き残ることが最優先」と常に割り切ってきた彼にとって、小鳥の行為は無駄のない、生きるための知恵と優しさの結晶として映るのだった。
だが、口には出さない。黙って頷き、焚き火の炎に視線を落とす。
小鳥の説明は、黒猫にとって言葉にせずとも理解できる信頼の証でもあった。
黒猫の胸の奥で、長い間閉ざされていた感情が、少しずつほどけていく――それは静かで、けれど確かな温もりを伴って。
銀貨は情報交換の合図
どれが1番は承諾
お肉は狩猟しました
知らない味はここら辺では見ない(ポイズンベアのこと)
ニュアンス的に伝われば良いのです、ふわっとファンタジー()




