表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔界転生サイボーグ  作者: 茜蘭


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/27

100人斬り!(4)

 退却を勧告したが誰も逃げ出さない。スローモーションが発動したわけでもないのに、場が固まったように静まり返っている。さっきまでの威勢は消え失せ、猪たちは距離を置いたままで襲い掛かる素振りはなかった。

 こいつらにしたら一瞬の出来事だったのだろう。多分僕は目にも止まらぬ速さで襲い掛かり、一度も地に足をつかないまま立て続けに先陣の五体を瞬殺した。殺してないが。それがこいつらの目の前で起きたことのすべてだ。

 今度こそ逃げちゃおうかなと思ったとき、ケダモノの群れの後方から、どす黒い怒りに満ちたような咆哮が響いた。途端にケダモノどもの顔から血の気が引いていき、何かを覚悟したような悲壮な目つきになった。そうか、こいつらが退くことはない。きっと、こいつらには退路なんてないんだ。逃げても今の咆哮の主から制裁を受けるのだろう。

 大群はにじり寄りながらも大きく左右に分かれ、いつの間にか僕を取り囲んでいた。よく考えたら僕のスピードなら普通に走って逃げられたんじゃないかな。でもスローモーションさえ発動すれば何体相手取っても負けることはなさそうだ。咆哮の主も僕を逃がしてくれるとは思えない。やるしかないか。で、肝心のスローモーションはやっぱりビビらないと発動しないのかな。今のところまだスローモーションになっていない。ちょっと落ち着いちゃったから百体に囲まれてもビビりが足りないようだ。襲ってきたら発動すると信じて、腰を低く落として備えることにした。両手もそれっぽく構えてみた。やっぱりちょっとかっこいいかもしれない。

「来なさい」

 調子に乗って挑発してみたら、割れんばかりの蛮声と共に一斉に襲い掛かってきた。緊張が走る。

 おっ、スローモーション開始。だけど少し違う。敵の動きがさっきより速い。自分も腕を振ってみるとさっきより速く動けた。どうやらスローの度合いが低いようだが、これくらいのほうが動きやすい。ビビりの強弱でスローの度合いが変わるってことか。武器は持たずに打撃だけで戦うほうがバランスもとりやすそうだ。斧は捨てよう、必要ならまた奪えばいい。

 さっきと同じ要領で手近な敵から順番に倒していくか。大ジャンプしないように、すり足程度のつもりで移動してみる。割とスムーズに動ける。最初を緩めに加速、敵に近づいてきたら強めに加速して、先ずは正面の敵に詰め寄り顔面を殴る。剣で切りかかろうとする腕を掴んで引き倒し、その隣にいた敵の足元にぶつけてやった。さらに奥の2体の首を両手で同時に掴み、その間をこじ開けるように両側に投げ打った。

 立ち止まってしまったら四方から同時に攻撃されて対処しきれないかもしれない。ここは止まらずに包囲網を突っ切って抜け、背後に回られないように立ち回ろう。敵は僕の動きに全く反応できないまま、さらに十体ほど倒して突き進むと包囲網を抜けた。これで背後から襲われる心配はないだろう。

 でもここで落ち着いてはいけない、スローモーションが切れるかもしれない。緊張を維持するんだ。大群に向き直り、手近な敵から倒していく。


 三割くらい倒すと、倒して地面に伏した敵が障害になって動きづらいのか、大群の勢いが少し弱まった感じだ。こっちにとっても足元に転がってるやつがいないほうが戦いやすいので、一体倒すたびに少しづつ後退していった。こいつら、ただがむしゃらに襲ってくるだけで芸がない。単調な作業になってしまった。順調に倒していき、残った敵を数えると残り十体になった。よし、カウントダウンしよう。掌底で心臓の上を打ち付け残り九体、顔面に肘打ち残り八体、七体、六体、五体。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ