四人目
「死神さん、私はいつ死ぬんですかねぇ?」
「失礼ですがもうすぐ80歳ですよね?早く死にたい感じですか?」
「いえいえ、とんでもない。まだまだやりたいことがあってね。どうしようか考えてるの。」
「やりたい事ってなんですか?」
「私ね。最近流行っている、ゆーちゅーぶとか、てっくとっくとか、いんすたぐらむとかいうのをやってみたいの。配信とかで若い皆さんと交流してみたいの。それで調べたらね。色々な機材とかマイクとかがいるみたいなの。パソコンはあるんだけど足りない物があって、買おうかどうか迷ってるの。だって買って直ぐに死んだら勿体ないでしょ?」
「なるほど、そういうことなら大丈夫ですよ。まだまだ生きられますよ。どうかこれからも楽しく生きてください。」
「本当に?ありがとう。嬉しいわ。頑張るから死神さんも応援してね。」
「大丈夫ですか?あんな事言って、あの人もうすぐ寝たきりになりますよね?」
「大丈夫、大丈夫!好きな事をしてると元気が出るからね。絶対寝たきりになんかならないよ。」
「運命を変えちゃう気ですか?」
「そういうのもいいかもね。」
「やっぱり優しいですね。」
「そんな事ないよ〜。」
頬が赤くなったのを私は見逃さなかった。