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私が恋した死神さん  作者: 鈴星
死神さんのお仕事
2/5

一人目

 死神さんのお手伝いは簡単だけど考えさせられる内容だった。

私自身はいつ死んでもいいと思って生きてきたけれど、

そんな風に考えているのはほんの一握りだということを知った。


「いつまで生きられるのでしょうか?」

「それを聞いてどうするの?」

「今日病気が見つかって、死ぬ時がわかればそれまで好きなことが出来るかと思って。」

「ふーん。もし、明日死ぬって言ったら・・・。」

「うーん。怖いですけど仕方がないので明日までに色々やろうと思います。」

「なるほど。聞いて後悔しないんだね?」

「もちろんです。教えてください。」

「わかった。

・・・

死ぬのは

・・・

3日後だね。」

「・・・3日後ですか・・・。わかりました。」


3日間。何が出来るだろう。

仕事を辞める手続き?

なんて言って辞める?

もうすぐ死ぬので・・・誰が信じる?

家族に連絡?

言われた方はどうなる?

泣いてもらえるか?

友達に連絡?

言われた方はどうする?

笑われるだけだ。


結局聞いても何も出来ない。


楽しい事をしよう。

何が一番楽しい?

カラオケ?

ゲーム?

美味しい物を食べよう。

何が一番好き?

お寿司?

焼肉?

わからない。何をしていいのかわからない。私はどうやって生きていたのだろうか?

うだうだしている間に1日、2日と経っていく。

とうとう今日だ。

どうやって死ぬかまで聞いていない。病気が見つかったのだから、病気だろう。

何時に死ぬ?何をしている時?聞いたら教えてくれたのかな?

あとは、その時を待つだけだ。

気付けば23時30分。まだなのか?本当に今日なのか?心臓が早くなる。

あと、20分。あと、10分。駄目だ。緊張で心臓がバクバクする。

あと、5分。あと、3分。心臓が爆発する。


「あんな事言って良かったんですか?あの人の寿命、まだあったんじゃないですか?」

「いいんだよ。死ぬと思ってるのだから魂いただいてもバチは当たらないよ。」

「そういうもんでしょうか?」

「うんうん。さ、書類の作成済ましちゃって。」



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