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私が恋した死神さん  作者: 鈴星
はじまり
1/5

出会い

 「誰?」

部屋の片隅で何かが動く気配がした。

視力を持たない私にとって聴力が唯一の武器だ。

もう一度耳を澄ます。やはり何かいる。

「もしかして死神?やっと迎えにきてくれたの?」

沈黙が続く。沈黙は肯定だ。

「死神さん、私を早く連れて行って。」

目が見えないだけではなく私には家族もいない。

生まれてすぐ目が見えないとわかって捨てられたようだ。

そんな私が生きている意味なんてこれっぽっちもない。

「ねえ、何とか言ってよ。」

しばらくの沈黙の後、大きな溜息と共に、

「恐くないのか?死ぬのが?」

「恐くないよ。」

「恐くないのか?俺が?」

「恐くないよ。見えないし。」

「見たいと思わないのか?」

「思わないよ。ずっとこれが普通だから。」

先ほどよりも大きな溜息が聞こえた。

「見えるようになるって言ったらどうする?」

「見えなくていいよ。それよりも死にたい。早く連れて行って。」

「本当にいいのか?後悔しないのか?」

「絶対にしない。」

またさらに大きな溜息が聞こえた。

「提案があるのだが・・・。俺の手伝いをしてくれないか?」

「手伝い?何をすればいいの?私にもできる?

私何も見えないし、働いたことないよ。」

「大丈夫。誰にでも出来る簡単な事務作業だ。目も見えるようにするし、

いや違うな。うーん、簡単だが君にしか出来ない仕事だ。」




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