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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

無実の罪で処刑された勇者の呪いにより、奴らは滅びました

作者: 茂美坂 時治

「これで終わりだ!!」


聖剣エクスカリバーに最大の力を込めて、魔王を一刀両断


「…馬鹿な…、我が人間に負ける…だと…」


魔王はこの世からいなくなった


「やった!魔王を倒したぞ!!」

「本当に終わったんだな」

「ええ、本当に!」

「お疲れ様…」


4人のパーティーが魔王討伐に成功


斥候兼近距離攻撃専門 ジュアル・モディレスト

魔法専門 エニィ・カンファーレ

遠距離攻撃専門 ナッシア・ベルモニエ

そして 勇者 グアレス・オリエント


魔王が率いていた魔族も全滅



自国に凱旋し、民たちから熱いエールが贈られる


「勇者パーティーに万歳!!」

「万歳!!」


王都は熱気に包まれる


「ありがとう、みんな!」

勇者たちも声援に応える



王城に着き、すぐに謁見の間に通される


「勇者パーティー一行よ、よくぞ魔王を倒した!」


国王 ザイドル・エル・フェリエルがパーティーを称賛


「これで、世界に平和が訪れることになった。本当にありがとう」


パーティーに一礼する


と、国王の表情は曇りがかっていた


「褒美の前に、グアレス。お前に訊きたいことがある」

「僕に…ですか?」


次に見せた国王の顔は怒り


「魔王と手紙でやり取りしていたというのは(まこと)か?」


………はい?

僕が魔王と…?


「していませんよ!そんな真似、できるわけないじゃないですか!」

「では、これはどう説明するのだ?」


臣下たちが持ってきたのは大量の手紙


読み上げられた内容は、魔王と会う約束や罪のない者たちを殺害したことなど生々しいものばかり


当然、グアレスにとっては全く身に覚えのない事だった


「お待ちください!僕はそんなものは一度も書いたことがありません!」

「いいや!俺はちゃんと見てたぞ!」


仲間であるジュアルが反論した


「毎晩、自分の部屋で手紙を書いてるとこをこの目ではっきり見えてたぜ」

「私もチラッとだけど、まさか魔王とのやり取りだったとはね」

「勇者らしからぬ行為…」


他のメンバーも同じ意見だ


「違う!僕はそんなことはしていない!」

「じゃあ、何であんなに手紙があんだよ?」

「君たちが書いたものじゃないのか!?」


グアレスも反撃


しかし


「自分の字で書いた手紙を、どうして俺たちが書く必要があるんだ?何だったら、お前が書いたものだって証明してやるよ」

「…え?」


エニィが鑑定の魔法を使って、手紙の一部を鑑定


その結果は第三者にも見える仕組みになっている


僕じゃないことが証明されるはず

だって、筆跡は人それぞれで全く同じなんてことはゼロに等しい


結果は…


『グアレス・オリエントの筆跡』

と出ていた


「そ、そんな…バカな…」


力が抜け、その場から動けなかった


「これでお前が書いたものだって証明された。どう言い訳するんだ、勇者さんよ」


そして、国王が叱責する


「この愚か者が!!勇者の名を騙って、魔王とやり取りしていたなど甚だしいにも程がある!貴様は、明日処刑だ!」

「しょ、処刑!?」


突然の宣告にグアレスは動揺を隠せなかった


「お待ちください!!僕は決して…」

「また言い訳とは見苦しい!このことは、民たちにもすでに伝えてある!大衆の前で公開処刑だ!」


あまりにも早すぎる処刑宣告だった


大量の手紙が国王の手に渡ること自体がおかしい

どうやって、僕の字を覚えたんだ?

それに、魔王を倒した暁には超高額ともいえる報奨金が支払うことを国王は約束していた

まさか、奴らの目的は金!?

どうして僕だけ除け者扱いなんだ!?


手足に枷を懸けられ、マッチョな男に担がれていく


ジュアルの横を通る際


「俺らのために死んでくれ」


ニヤニヤしながら彼はそう呟いた


確信した

こいつらは、勇者である僕を利用して、富や名声、地位を手に入れようとしていたんだ

最初から僕は、罠に嵌っていたことに全く気付かなかった…


許さない…絶対に許さない…


しかし、時間は進んでいく



翌日


王城の外に出ると、多くの民が待っていた


「この裏切り勇者が!!」

「私たちの家族を返せ!!」


彼らはすでに怒り心頭

殺気も抑えきれていないほどにだ


「皆の者!この愚かな勇者の最期を見届けよ!」


国王の怒声が響き、グアレスはギロチン台に運ばれる


「やめろ!やめてくれ!僕じゃないんだ!!」


その言葉が最後となり、グアレスの首は飛んだ


「これで()()()()、世界が平和になった!これからずっと、この国、いや、世界は安泰だ!」


その声により、民の怒声が喝采に変わった


しかし、全員の脳内に突如


『勇者殺害のペナルティが発生しました。これより、勇者の呪いが発動します』

女性の声によるアナウンスが流れる


「い、今の声…誰なんだ…?」

「呪いって何?」

「殺害って、大げさすぎるだろ。グアレスが犯罪者ってことにに変わりはない」

民たちはざわざわし始める


「今の声に惑わされるでないぞ。いつも通りに生活すればよいのだ」

国王はざわつく群衆を落ち着かせる


彼らは軽く受け流していたが、呪いによる影響が徐々に表れ始めることをまだ知らない



翌朝


ある一家では


「な、何よこれ!!?」

朝食の準備をしていた妻が声を荒げる


「どうした!?」

「何があったの?」


夫や子供も慌てて駆け付ける


「見て…」


視線の先には、貯蔵していた食料が全て腐敗していた


「ど、どうなってるんだ!?昨日、買ってきた野菜もあるのに…何で1日で腐るんだ?」


戸惑う家族


昨日のアレを思い出す


「呪いのせい…じゃないよな…?」

「まさか…ね?」


他に原因があるのではと探ったが、やはり昨日のアナウンスが脳裏から離れない


「本当に呪いってあるんだ…」

「でも、何で勇者が殺されただけで呪いが発動するの?」

「それは…俺にもわからん…」


この出来事は、呪いによる現象のほんの序の口に過ぎない

勇者の呪いの本当の恐ろしさはここからだ



数日後


「次の方どうぞ」


王都にある病院


この日も患者がやってくるが、いつもと様子が違ってた


普段は風邪やら捻挫やらの処方ができる患者が多い


しかし、勇者の処刑後から


「先生!!この子の体に、変な痣が出始めたんです!しかも、咳も止まらず高熱も続いて…!」


幼子を抱く母親が涙目で医者に訴える


「この子もですか!?とにかく、診てみましょう」


子供を中心に謎の病気に罹る人が急増した


様々な病気を把握している医者でも、この病気の原因は分からなかった


何故なら、この病気に罹った人全員の痣の形がパセリの形をしていたからだ


子供の様子は、蒼褪めた顔、非常に荒い呼吸に酷い咳、40度を超える高熱など今にも死にそうなほどに苦しんでいる


風邪に有効な薬を出し続けているが、それでも一向に治る気配はない

他にどの薬がいいのかと模索していると子供の容体が急変した


突然、血を吐き出したのだ


「先生!!何とかしてください!」


すぐに治療に取り掛かるが、すでに子供の息は止まっており

脈もない


心臓マッサージを施すが、心臓は動かなかった


「残念ですが…」

「そ、そんな…」


母親はその場で泣き崩れた


パセリには『死の前兆』という花言葉がある


つまり、パセリの形をした痣が出たときから死が迫っていることを意味していて、すでに手遅れという事も指している


医者にとっては、為す術はない


その後も患者が波のように押し寄せてきたが、全員先ほどの子供と同様に命を落とした


「本当に勇者の呪いなのか…?だとしたらもう、私には何もできないじゃないか…!」




翌日


「ゲホゲホ…」


昨日まで医者としての業務を邁進してたが、鏡を見たら背中にあのパセリの痣が出ていたのだ


もう…誰一人助けることができないのか…?

そんなの…嫌だ!


咳はさらに酷くなり、血を吐くまで悪化していた


これが出てるってことはもう、私は死ぬんだな…


昨日までの一連の光景を目の当たりにしたら、そう思うのは自然なのかもしれない


「勇者の呪い…恐ろしいものだ…」


それが医者の最後の言葉となった



勇者の処刑から2週間が過ぎた


ほとんどの家庭で蓄えていた食料は、呪いによりすべて腐り

病気で多くの命が奪われた


他国からの支援が頼みの綱


だが、支援の証となる物資が一向に来ない


原因を調査した結果、国境付近で御者や馬の死体が多く発見される


これも勇者の呪いによるものだと結論付けた

さらに、国を抜け出そうとした者は、その場で急死するという異変まで起きている


逃げ場を失った彼らに待っているのは


「ママ…お腹…空いたよ…」

「ごめんなさい…、もう食べ物は何もないの…」


ボロボロの服を纏う痩せ細った母親と子供


それ以外の場所でも、同様の大人や子供がいる


そう、彼らは飢餓で苦しんでいる


「国は対応してくれているのかな…?」

ある少女がそうつぶやいたが、他国からの支援物資が来てないことは全員知らない


では、国のトップである国王はというと…


「何か食わせてくれ…」

「もう城には備蓄した食料などはございません…」


彼らと同じ状況だった


城には、もしもの時に備えて、2か月分の食料などが備蓄されていた

しかし、勇者の呪いで食料や水は全部腐り、大量廃棄をせざるを得なかった


使用人の何人かは、この状況に耐えきれず自ら命を絶ってしまった


「私が惑わされるなと言ったばかりに…こんなことになるとはな…」


因果応報とはこのことだ


自分にできることは何もない


情報などの伝達もできない状態で、他国からの連絡も途絶えたまま…


完全に孤立する形となった


「もはや、ここまでという事か…」

「陛下…」


数日後、国王を含めた国民全員が餓死


結果として、国は滅んだ


しかし、()()()()はまだ終わっていない…



ジュアルたちは王都から遠く離れた僻地の宿に来ていた


「ここまで来れば、呪いによる影響は出ないはずだ…」

「そう願うわ…」

「同じく…」


その時だ


『逃げられると思ったら、大間違いですよ?』


勇者の処刑後に流れてきたアナウンスの女の声だった


「な、何だお前は!?」

「脳内に語り掛けてくるとかあり得ないわ!」

「うん、そんな魔法聞いたことがない…」

『魔法ではありませんよ。私自身の力であなたたちに話しているんですから』

「お前自身…?一体何者なんだよ!?」

『私は、女神であり、悪行を犯した者に報いを与える神罰の執行者です』

「女神だって?神様なんて、この世に存在するかっての!!」

『では神様でなく、あなたたち同じ人間だったら何故こんなことができるんでしょうね?』

「そ、それは…」

『私は、この世界の人間全ての行いを見てきました。そして、あなたたち3人の卑劣な行いは見過ごせませんでした』


その言葉にジュアルはかッとなる


「卑劣とは失礼なことを言うな、あんた!俺たちは、卑劣な行いをした勇者の明確な証拠を国王に渡したんだぞ!」

『なるほど。しかし、どうやってグアレスの字を覚えたんでしょうか?』

「そ、それは…」

『口ごもるという事は、あなたが書いたという事でいいですか?』

「…」


ジュアルは黙秘する


『当然ですよね。あの大量の手紙が書けたのは、完全記憶能力を持つあなただからできた芸当ですものね』

「ちょっ!?」

「完全…?」

「記憶…?」


エニィとナッシアは聞きなれない言葉に戸惑う


『完全記憶能力とは、どんな些細なことでも完璧に記憶し、かつ絶対に忘れない能力です。つまり、あなた自身が行った悪行も全部覚えている。それが知られたくないから、わざと()()()()()らしい振る舞いをしていたんですよね』

「てめぇ、俺の悩みをばらすんじゃねえ!というか、今すぐ姿を現せ!」

『最高権力者である創世神様のご命令により、姿はお見せできません。ですが、神罰を与えることはお許しいただきましたので、容赦なく執行できます』

「ヒィッ…!?」


ナッシアが怯え始める


「しっかりしろ!女神の言葉を鵜呑みにするな!神罰なんて出来っこねえ!」

『では、これで信用してくださいますか?』


突如、10m離れた家が爆発


『空き家を狙って、爆発を起こさせました。何でしたら、ここで爆発を起こしてもいいんですよ?』


彼らに逃げ場がない事を悟らせる


「しょ、正気か!?神がこんなことして許されるのか!?」

『今回の事件の引き金を引いたのはあなたたちですよ。罪を認めたくないというなら、それ相応の覚悟が必要になりますが?』

「だから!俺らに罪はないって!!」


女神の声にも動じず、抵抗を続けるジュアル


『グアレス様に罪を被せたことも、立派な犯罪です。罪がないとは言わせません!』


女神の怒りはさらに大きくなり、周りの建物がドンドンと爆発したのだ


「悪かった!!自首するから!!」

少しでも助かりたいからという思いなのか、その言葉しか出なかった


『あなた…、国王や民は全員亡くなったというのに、どうやって裁くと言うんです?』

「な、なにぃ!!?」

『この際なので言いますけど、国王を含めたほとんどの人が餓死。すべて、勇者の呪いによるものです』

「ば、馬鹿な!?国王陛下が死んだ…?じゃあ、どうして俺たちは生きてるんだ!?」

『彼らと同様になるのはだめだと、創世神様があなたたちを対象にしませんでした』

「い、イカれてる…」

『全ては、ご自分の行動によって起こった結果です。しかし、それだけではグアレス様の死との罪過が釣り合いません』

「どうしろってんだよ…!?」

『簡単なことです』


すると、床から死神が現れた


「ひ…ひぃっ!?」

「な、何なのよこいつは…!?」

「怖い…」


ドクロの目がギョロリとジュアルたちに向ける


「ホォ、いかにも美味そうな魂を宿った若造どもだ。これは連れていくには持って来いだ」


死神が放つ異様なオーラに3人は動く事すらできない


『お忙しいところ、申し訳ありません』

「なぁに。死人を冥界へ運ぶのは少々飽きてきましてなぁ。儂としても、生き人はありがたいもんです」

『では、その3人を冥界の最下層 冥獄(みょうごく)へ連れて行ってください』

「ホッホッホ。これはまた、とんでもない場所へ案内するとはねぇ…」

「な、何だよ…その…冥獄って…」

「冥界の中で、最も危険で最も過酷な場所。絶対に逃げられない、絶対に死ねない、絶対に安息にならない。お主たちに待っているのは、死よりも辛い罰。つまり、永遠に生かされたまま地獄の苦痛を味わい続ける」

「や、やめてくれ!!」

「創世神様のご命令に逆らう訳にはいかんのだ。では、女神様。この若造どもを連れていきますぞ」

『お願いします』


床に巨大な穴が出現


3人はその穴から放たれる冷気に怯える


さらにそこから、黒い手が無数に出てくる


捕まったら最後

3人は武器を構える


「ホッホッホ。そんなもの無意味だぞ」

「ほざけ!!」


3人はそれぞれの得意分野で薙ぎ払ったり、焼き払ったりなどで必死に対応


しかし、手は多くなる一方


さらに、体力や魔力も限界が近づいていく

徐々に劣勢になっていく


そして…


「ぐあっ!?」

「きゃぁ!?」

「うっ…!?」


限界になった3人は捕まってしまう


「は、離しやがれ!!」

『抵抗しても無駄ですよ』

「うるせえ!!これから俺たちは裕福な生活をしたいと思ってたのに、何てことしてくれたんだよ!!?」

「そうよ、女神か何だか知らないけどね、あんたには関係ない話よ!だから、これ解きなさい!!」

「神様なんているはずがない!」


こんな時に限り、3人の本性がむき出しになった


次の瞬間


3人に電流が迸る


「ぎゃあああああ!!?」

「いやあああああああ!?」

「うわああああああ!?」


それは、死神が持つ鎌から放った電気

その鎌は、火や電気など様々な属性の攻撃が放てる仕組みになっている


「女神様に対して無礼な発言をするとは、言語道断。自分の立場を弁えよ」


重苦しい声で威圧する


『時にジュアル。勇者になるための条件はご存じですか?』

「…へ?な、何だよ…いきなり…」


女神が問う


『ご存じですか?』

「…知らねえよ。んなもん、興味ねえし」

『神託の儀式にあなたたちは参列していませんでしたね。知らなくて当然ですね』

「もったいぶらずに言えよ!こっちは死にたくない身なんだからよ!」

『では、順を追って説明しましょう』


勇者になるための条件は


①純粋な心を持っている

②武器や魔法での才が長けている

③誰一人差別することなく平等に接する

など


さらに、勇者は神託の儀式において、創世神から神の力を一部授かることになっている

猶予は、魔王を倒した後、再び神託の儀式で創世神に返上するまで


すなわち、ジュアルたちの策略により返上できなかったが故に、ペナルティとしてその力を勇者の呪いとして変換させたのだ


では何故、周辺国には影響がないのか?


その理由は簡単

勇者パーティーメンバー全員がこの国の出身者


処刑に関わったのもこの国


つまり、限定された範囲で呪いが発動したという事だ


『あなたたちの行為は、神への冒涜に値します。私から話せるのはここまで。では、お願いします』

「嫌だ!!死にたくない!!」


命乞いをするジュアル


女神はため息をつき


『グアレス様もあの時、そう望んだはずです。そのような醜い顔で言われても同情の余地はありません』


ズルズルと穴へ引きずり込まれていく


「どうすればよかったんだ!?」

『それは、ご自分で考えなさい。神に頼るのはいけません』


エニィとナッシアは涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃ

何かを言う余力はないようだ


それでも、ジュアルは


「俺をここから出しやがれ!!神と言っても、絶対に許さないからな!!」

『この期に及んで、まだご自分の立場を理解できていないとは…。呆れてしまいます』

「では、儂がちょいとやりましょうかの」


死神は彼の両腕を掴むと


「フン!!」


曲がらない方向へ無理やり曲げた


「ぐあああああああああ!!??」

痛みに耐えきれず叫ぶ


「これで少しは反省したかの?したとしても、もう遅い。これは決定事項でな」


冷たく言う


「グアレス!!許してくれ!!俺たちを助けてくれ!!」


女神たちの言葉を全く理解していないジュアル


それが最後の言葉だった


『終わりましたね』

「しかし、これで良いものですかの?」

『何かご不満があるんですか』

「不満ではないのですが、少々やり過ぎではないかと…」

『確かに…。ですが、創世神様のお怒りは尤もなので、これで良かったのです』

「そういう事にしておきますかの」


こうして、ジュアルたちが冥界へ堕ちたことで、勇者の呪いは解かれた

全てが終わったのだ



数か月後


グアレスたちがいた国の領土は、周辺国同士の協議により分配されることが決定した


旧王国の建物などは残しつつ、その国の文化を少しずつ取り入れて、新たな一歩を進み始める


彼らは、どうしてあの国がいきなり滅んでしまったのか疑問に思っていた

ただ、念入りな調査をしても決定的な証拠もなく、結論にまで至らなかった


それは、旧王国の人間にしか分からないことである

どうも、茂美坂 時治です


少し長めの短編を書いてみました


評価やブックマークをしていただけたら幸いです

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