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14話 輪

久しぶりの投稿で誤字脱字があるかもしれません、なので見つけた場合報告など適当にしていただけたらなと思います。

 優しくて可愛らしい香水のような香りと同時に人間が持つ独特な香りもする。女性のような男性のようなよく分からない不思議な匂いだ。


 シャドーピープルは全く追いかけようとしなかった。ただ静かに立っていた。それに安心して、ゆっくりとドアを開け、外に出る。


 一体シャドーピープルの目的は何なのか。奴の奇妙な行動から私を本気で殺したいとは思えない。しかし、それがただの脅かしとも思えない。そもそもシャドーピープルとは何なのだろうか。私はオカルトや都市伝説などの非科学的な現象を信じないし、興味もないため、未だにシャドーピープルの存在に理解できない。


「はぁー。綺麗な夕日……」


「ちょっと! 何黄昏てるのよ」


 そこには佐藤先生が立っていた。


                    ――ドクン


「先生!!何故ここに?」


「心配してきたに決まってるでしょ」


                    ――ドクン


 何か変な胸騒ぎがする。


 嫌な予感がする。


                    ――ドクン


「どうしたのそんな顔して。気分が悪いの?」


「先生……。もしかして……」





 辺りは暗黒に包まれ、携帯の明かりが私を照らす。時刻は一六時、なんとかここまで着々と計画を進めて来たが、次でこの計画はとりあえず終了する。そしてまた、繰り返す。何代も……何代も……。


「あの、、すみません。水かなんかないっすか?」


「あー。これでも飲んで」


 私が飲み損ねたコーヒーを渡す。これからこいつを殺すというのに、優しくする必要があるのかと自身の行動に疑問を抱く。しかし、変に厳しくして逃げられでもしたら、この綿密な計画が御破算になる。


「コーヒーですか。俺飲めないっすよ」


「贅沢言わないでよ! ここにはそれしかないのよ」


「そうっすか。それより、いつになったら俺を解放してくれるんすか?」


「さあね」


 解放なんてするわけがないでしょうが、バカだな。そもそもなぜこの状況で呑気にいられるのよ。今までとは全く違うタイプの奴だ。


 そして、この男はとても扱いづらく、段々と苛立ちが募っていく。彼は私を全く恐れていない。なぜ恐れて欲しいのか、それはただ殺りにくいからだ。私も人間だ、良心だってほんの少しはある、だからこそ笑顔のあるやつから命を奪うのは気が引ける。


 皆が気になるであろう今私がしている仕事は、先祖代々受け継がれてきたものである。つまり否が応でもしなければいけないものであり、幼い時は不安で恐怖でしかなかったことが記憶にある。しかし今はそのようなことを微塵も思っていない。良心はあると言ったが、少しチャンスを与えるぐらいで、殺すのを見逃すということは決してあり得ない。


「コーヒーおかわりありますか?」


「え、何足りなかったの?」


「あー。そんなところです」


「残念だけど、それが最後よ」


「そしたら、空いている缶とかでもいいのでありますか?」

「そんなのどうするのよ」


「秘密っすよ」


「へえー。言わないのだ…」


 時刻は一七時。


 そろそろ始めるとするか……。




 曇り空で太陽の光が一切見えず、気分が冴えない。今日もまた新しい一日が始まる。私は大きく背筋を伸ばした。


「おはようございます。神楽ちゃん、一緒に学校いかないかい?」 


 ドアの向こうから丁寧な言葉遣いで透き通ったいい声が聞こえる。


「天ヶ(あまがせ)早すぎよ!」


 彼は私の幼馴染で両親がいない私をずっと守ってくれていた。


「そうかー。でも、これ以上遅くすると遅刻すると思うが……」


「そうだね……突然だけど、天ヶ瀬。本当に毎日ありがとう」


「何だよ急に改まっちゃって……。俺も言わせてくれ、ありがtー」


「きゃあーーーー」


「おい、どうしたんだ芽依。とりあえずドア開けろ」


――ガチャ


「ごめん、ごめん。虫が出ただけだから」


「そっかそっか。もしかしてG?」


「あー。うん。そうだよ」


「え。退治できたのか」


「まあゴキちゃんくらいなら……」


「芽依は強くなったのだな……」


「何よ急に」




 シャキシャキのキャベツとハム、きゅうり、そしてお手製のマヨネーズを挟んだサンドイッチを頬張る。朝何も食べていなかったせいか、一限の古典は全く集中できなかった上にお腹が鳴りとても恥ずかしかった。


 そして、このようにふとした時に家族のことを考える。佐藤先生から兄がいると聞いたときは心臓が張り裂けそうだった。

 

 なぜ自分だけが捨てられて、こんなに苦しくて寂しい思いをしなければいけなかったのか、そのようなマイナスの考えばかりが頭に浮かんでいた。しかし、今の生活を嫌っているわけではない、むしろ友達との出会いに感謝している。そういうことで、捨てられたことをあまり否定的に捉えないようにしている。今では兄と会ってみたいと思っているくらいだ。


「女の子なのだからもっと綺麗に食べなよ……」


「え。美優……」


「なに? 体調は良くなったの?」


「いや……実は……」


 美優に病院から逃げてきたことや、それをまだ学校にも隠していることを伝える。


「何しているのよ。本当に無茶するわね」


「そんなことなんてどうでもいいの。それよりさ。美優……本当に、本当にごめんなさい」


「何急に、怖いわよ」


「だって、気にかけてくれていたのに、あんな態度とっちゃったじゃん」


「別に気にしてないわよ。あの時に精神的に不安定になってもおかしくないし、よくあることじゃないの」


「本当に美優は優しいね」


「ほら。早く病院行くわよ」


「げ。まさか私を病院に突き出すのぉ、、、」


「はぁー。そんなことはしないけど、もしあんたに何かあったらどうするのよ」


「何かって何?」


「とりあえず、病院行こう? 私も一緒に行くから」


「わかったよ。また今度行こう」


「今度って、それでは意味がないじゃん! 今日行きましょう」


「もう、わかったよぉ」




「この子で二十九人目か……。あと何人いるのかしら……」




まだまだ受験勉強により投稿頻度が低いですがよろしくお願いします。

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