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1話 ドアの向こう側

それほど怖い仕上がりにはなっていませんので、ご安心ください。ですが念のため、苦手な人はご遠慮ください。

 昼下がりの教室で一人黙々と受験勉強に励む。


 今三年生で学校にいるのは僕だけだ。みんな各々の家で勉強している。二日前にあった共通テストの自己採点をしたところ、まずまずといったところだった。


 二次試験に向けての勉強をしているのだが、僕が志望している大学はそれほど難関ではないため必死になる必要はない。


 長時間連続で勉強したせいか、疲れが出始めたので、今は少し休憩しているところである。


「”あ”あー」と、がなり声を出しながら腕を上げ、身体を伸ばした。こうすることで無駄な力が抜けて、身体的にも精神的にもすごく楽になる。


 すると、突然誰かが勢いよくドアを開けた。しかし、そこには誰もいない。もしかしたら誰かが隠れているのかもと思い、ドアの近くまで行くが、やはり誰もいない。仕方ないと諦めて勉強に戻る。


 すると、次はゆっくりとドアが開いた。しかし、先程とは違い、そこには人がいた。それは、僕の担任の三上先生である。彼はひょっこり顔を出して「順調か?」と言った。


僕は、嫌がらせでもされたのかと思い、心臓が止まりそうだった。今もまだそれがドクンと大きな音を立てて脈を打っていて、冷や汗が止まらない。だが、よくよく考えれば、もう卒業する人間にいじめなんて下らないことをしていられないか。何より今は大事な試験が皆あるのだから。


「分からないことがあれば、何でも聞けよ」


「はい。ありがとうございます」


 三上先生はとても若くて、イケメンで生徒から人気のある先生だ。新学期の自己紹介では、彼女はいないと言っていたが、あの顔だったらすぐにでも彼女の一人や二人はできそうだ。


「頑張れよ」と言い、ドアから離れ職員室へ戻ろうとする。僕は先程のドアのことを思い出し、先生が何か知っているのかもと思い、引き止めた。


「あ、あの…」


「何だ、質問か?」


「いや、やっぱりいいです」


 いや、何チキっているんだ。先生と話すことに緊張するなんて、まじの陰キャコミュ障じゃねーかよ。しかも同性に。


「いいのか? 何でも聞くぞ」


「あ、やっぱり聞いてもいいですか」


 これだけ話すのにどれだけの勇気がいったことか。


「今日、僕以外の三年生で学校に来た人はいませんか?」


「いや、先生は神楽(かぐら)のことしか聞いていないな…電話も特に入っていなかったよ。だから誰もいないと思うぞ」


「そしたら、ここに来る前に誰かとすれ違いませんでした?」


「それもないな…」


「そうですか…ありがとうございました」


 本当に誰なのだよ。誰か知りたいが、手がかりが一つもない。


「くっそうー!!」と思い切り叫んだ。


 勉強に集中したいが、あのことが頭から離れない。一体誰なのだ…




 目が覚めると目の前には先生がいた。


「お疲れ様。疲れているみたいだな。もう、学校が閉まるから、家に帰れ」


「へぇ?」と急に変な声が出た。


 外はもう真っ暗で、時計の針は七時を指していた。あれから五時間も眠っていいたなんて…自分が思っている以上に疲れているのだな。帰る支度を済ませ、先生に挨拶して学校を出た。




まだまだ始まったばかりで、怖くありませんが、これからもっと怖く仕上げていきたいです。

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