十四話 【とある転生者の日記より 抜粋:第二頁】
また幕間です
◯月◯日
やー、疲れたね。本当お疲れ様だよ、いや本当頑張ったね皆、死屍累々でね。これがデスマーチっつーやつかね? とにかくよく乗り切ったよ、良くやった良くやった……
って、おい! お前! ■■■! ※本検証とは無関係の個人名のため削除
何ちゃっかりお疲れ様会の輪に入ってんだ! お前のせいでこっちは半死半生なんだぞ!
お前は優秀だよ確かにな、そのゴリゴリ仕事をもぎ取って来るコミュ力には皆敬服してるさ、こちとら陰キャ組だからね。
だがなぁ! コミュ力の前に納期の計算が出来る脳味噌を搭載しとけやぁ!
そして自分が売りこんでるもんをもっとしっかり知っとけぇ!
「ここんとこ、追加して欲しいそうなんすけど、パパッと大丈夫っすよね」
じゃねーよ! ゔぁかかっ! んなもん追加したら一からやり直しじゃ! 納期変わんねぇのにアホな事言ってんじゃねぇこの◯☆■…… ※本検証に無関係な罵詈雑言が続く為割愛
いや、分かってる。
あいつが悪いんじゃない。
あいつを褒めそやしてこっちに鞭打つ上の奴らが悪いんだって分かってる。
分かってるよ。分かってるけど、あの陽キャ感が……分かってる、妬んでる。
はぁ、イライラが止まらない。一段落着いたけど、またあの馬鹿がいつ無茶苦茶な量と期日の仕事を捻じ込んでくるかわからん……酒量が増えるわ。
でも、そんな私には今、癒してくれる物があ・る・か・ら、大丈夫なんだわぁい!
やりました、ガートルード。結局バリバリと。程々にとか言っときながら、寝る間を惜しみまくってやってしまいました。もう2人まで堕としまして、思う事は……
まあ、普通です。
システムとかゲーム性とか。
ノベル読み進めて選択して、ミニゲーム挟まりーの、最後は今までの行動で……みたいなのも、まあ普通です。
でもちょっと魔法、魔法と呼べるのか? があってそれを任意に使うモードもあったりしたのは面白かったかな。そう、でも普通。
なんですが、やっぱりストーリーが好き。
ストーリーっつうか、本編に繋がる冒頭だよね。思ってたよりしっかり憧れの人との思い出が語られるから、やだ素敵、好きって主人公の気持ちになった所で失恋! がぁん!
この冒頭がマジで良い! 買っちゃった理由もこれだったし、裏切ってくれなくて本当良かった。
つまりね、何が言いたいかってね結局ね、他人の物になっちゃう憧れの人、そうアル様推しなんです。
もうとにかくカッコいい。ビジュアルも硬派なワイルド顔でツボってるし、無骨で怖そうだけど実は優しいっていうのがもう……あふぅ。
本編では攻略キャラじゃなくてもはやモブだから全然絡んでこなくて悲しいけど、でも悲嘆してはいないのだ。
このゲーム隠しキャラいるんだもんねー。調べてるよ、やべぇよ。
キャラ名とか詳しい事は半年後までネタバレ禁止だから皆律儀に守ってて出てこないけど、これは、もう、でゅふふ。そういう事でしょ。
だってこんなに丁寧に恋焦がれた憧れの人ってフリが入ってるんだもん。逆にそれ以外だったら誰よって感じだわよ。
ああ、知らない女と婚約しちゃったあなたとどんな風に結ばれるんだろう? 略奪? それとも真実の愛に目覚めて公衆の面前で婚約破棄? だとしたら悪役令嬢要素まで盛り込んでくるってことかしら、すごいわねこのゲーム。
とにかく楽しみ。時間が中々取れなくてちまちま進めるのがもどかしいけど、待っててねアルベルト。必ず結ばれて幸せになろうね!
でゅへへっ
————
(……どうしたの下向いて、何かやらかしたの思い出して具合でも悪くなった?)
(いいえぇ、今回は大丈夫な筈ですぅ。ただぁ、こんな日記を死後回し読みされてると知ったらぁ、ご本人きっと死にたいだろうなぁと思って……死んでますけどぉ)
(震えるほど笑ってんじゃないわよ、あんた本当にニコニコ脳天気顔してるくせに性格悪いわね)
「どうしました? 担当執行官、何か訂正でも?」
「いいえぇ、何でもないでぇす」
「では続けます——」
次頁へ続く
そろそろ恥ずかしい
お読みいただきありがとうございます!




