異世界行ったけど、なんか違うからすぐ帰った結果。
異世界転生ブーム真っ只中。
俺にもチャンスがやってきた。
「おおごく普通の人間よ!お前にチートをやるから、異世界へ行け。」
「はい。」
俺のチートって何なんだ。
「ステータスオープン!」
∞
なんじゃこれ。
まったく意味が分からない。
とりあえずチートって言うんなら、すごいことができるはず。
「炎出てこい!」
ごーーーーーーーーー!!!
「あちゃちゃたtydkfdlgmdvlvlv!!!」
危うく真っ黒こげだよ!!!
手!!てのひらが!!やけどでべろべろだ!!!
「ヒ○ル!!」
何もおきない。
「け○る!」
何もおきない。
「ほ○み!」
何もおきない。
手のひらが、どんどんべろんべろんになってきた。
さっきの炎の威力が半端なかったためか、手のひらのやけどが、腕に広がり、胸に広がったあたりで息苦しくなってきた。
はあ、はあ、はあ・・・。
俺は絶命した。
「おお!死んでしまうとはしょうがないやつじゃのう…」
「ノーチュートリアルはきついっす。」
「人生にチュートリアルなんかあるわけないだろう!」
「え、ないの。」
「異世界だったら何でもありだとか思うのはいかん!」
「なんだ、ないんですか、じゃあいいや。」
俺は神様のチート付き異世界転生を受け入れるのを、やめた。
びゅわんという音と共に、俺の世界に帰って来た。
青い空、白い雲。
ああ、日本っていいよなあ、平和でさ。
上を見てへらへらしながら歩いていた俺の前に、トラックが突っ込んできた。
あれ、この、風景は・・・。
ごく普通の男は、転生することなく、命を終えた。