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『ハイパー天幕』

 雪原の中、オフェーリアは新しい天幕を取り出した。

 そして周りに結界石を配置すると、最後の一個を入り口の前に配置し、結界を発生させた。


「さてっと、マティアス、ここに触れてくれる。

 それだけで登録されるから」


 マティアスは言われるまま、入り口の横にある魔石に触れた。

 すると何かに身体の中を探られるような感じがして、慌てて手を離す。


「はい、これで大丈夫ね。

 中に入ってちょうだい」


 言われるまま、オフェーリアに続いて入った天幕の中は、何か色々おかしかった。


「これは新しい魔導具よ。

 ウッドハウスではマティアスに入ってもらえないから今日はこちらにしたの。

 いくら結界があるとはいえ、この雪の中、外のテントで夜を過ごしてもらうわけにはいかないもの」


「だが、フェリア、そうは言っても……」


「まあ、そこに座ってよ。

 説明するから」



 とりあえず二人は冬装備を外し、身軽になった。

 マティアスはまだ防具を外そうとしないが、オフェーリアはブーツを脱いで布製の上履きに履き替えている。


「これは最新式の魔導具なの。

 異空間魔法で天幕内を拡張してあるのよ。

 だからこんなのなわけ」


 マティアスの目には、今いる、入り口を入ってすぐの場所でも十分な広さだ。

 その先は居間があって、さらにその奥がダイニングキッチンになっているようだ。


「お手洗いや洗面などの水回りはここ、浴室もあるから自由に使って。

 私は奥の寝室を使うから気にしないでちょうだい。

 あと、夕食後に簡易ベッドを出すわね」


 もうマティアスは言葉が出ない。




 ようやく目の前の現状を飲み込むことができるようになったマティアスは、オフェーリアと食卓を囲んでいた。

 今夜のメインは熱々のシチュー、濃厚な鶏ガラ出汁で大きめにカットした野菜とベーコンを煮込んでとろみをつけた、身体が温まるシチューだ。

 そして厚切りのミノタウロスのステーキ、これは目の前で焼いた。

 塩胡椒にガーリックを効かせたそれを、マティアスは気持ち良いくらいに平らげてくれた。

 サラダも温野菜で、とにかく身体を温めるように気を使ったのだ。


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