表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/617

『ダンジョンって』

 オフェーリアは昨夜から出したままになっていたテーブルに、まずは籠に入った白パンを置いた。

 次はブイヨンと牛乳を合わせたスープ、中には細かく切ったじゃがいもが入っている。

 今朝の玉子料理は特大のスフレオムレツ。ソースはほうれん草とベーコンをトマトソースで煮たものだ。

 それとマティアスのために厚切りのハムが並べられていた。

 サラダはベビーリーフとチーズのサラダ。あっさりとしたドレッシングがかけてある。


「おかわり自由、量はたっぷりあるから言ってちょうだい。

 一日の始まりの食事は大事なのよ」


 マティアスは厚切りのハムに齧り付いた。



 朝食の後、夜営の撤収をしたふたりはゆっくりと階段を降りていった。


「今日も採取中心でお願いするわ。

 確か、前回来た時に7階層でネルモア草の群生地があったと思うの」


「ネルモア草って黄色に黒の点々のやつか?」


「そうそう、今でもあるかしら?」


「見た覚えはあるが、あんなの誰も見向きもしないぜ?」


「ヒトはあまり薬草学には明るくないのかしら。

 一番基本的なポーションの素材なのに」


「ポーション自体作れる者が少ないんだ。知らなくてもおかしくないのと違うか?」


「そうかー、魔力かー。

 それがあったねー」


 ダンジョン都市のような最前線でも、恒久的にポーションは不足している。

 何しろ魔力をともなわない回復薬は、その効力が格段に落ちるのだ。


「とにかくネルモア草を採れるだけ採るよ。

 マティアスは周囲を警戒していて」


「了解だ」



 このダンジョンの浅層は岩石エリアが多いのだが、この7階層もそのタイプで、暗闇の中僅かな発光苔を光源としてその群生地はあった。


「いつ来ても不思議なのだけど、光合成とかどうなっているのかしら?

 やはりダンジョンのことは深く追求するべきではないのかしらね」


「さあ?

 ここの中で起きることは“ダンジョンだから”と深く考えない方がいいと思うぜ?

 中が何年かに一度、組みかわっちまうって話も聞いたことがある」


 そう、20階層ぐらいだった小規模ダンジョンが、ある日突然200階層を越える大規模ダンジョンに変化することがある。

 摩訶不思議な場所、それがダンジョンだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ