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『ダンジョン行、準備』

「あんた……ここって」


 マティアスがついて来るように言われて到着したのは、この町では猛者で有名な防衛隊長ダルタンの家……その敷地内だ。


「あら、知っていたの?

 今日はあちらには入らないので安心して?

 色々見せてもらいたいから、うちの前でやりましょう」


 そう言ったオフェーリアに案内されたのは敷地の一角にある、こぢんまりとしたウッドハウスの前だ。


「悪いけど、このウッドハウスは魔導具で、私だけしか入れないの。

 なのでここでお願いするわね」


 ウッドハウスの入り口に近いところにテーブルと椅子を出したオフェーリアはお茶の準備を始めた。

 片やマティアスはどうして良いか戸惑っている。


「まずはお茶でも飲んで、ゆっくりしましょう。

 ……私が知りたいのは、あなたの生活面よ。どんなテントを使っているのか見せてちょうだい」


 元々ソロで動く事が多いマティアスだ。

 数少ない護衛依頼の場合でも、こんなことを言われたのは初めてだ。

 それでも彼は黙ってテントを取り出し、組み立て始めた。


「ふ〜ん、普通のテントね」


 オフェーリアが覗き込んできて、マティアスはやりにくそうだ。


「そうだが、何か文句あるのか?」


「別に〜

 向こうでは私の家ごと、結界で包んじゃおうって話」


「おい、何を言ってる?」


 オフェーリアの常識とマティアスの常識があまりにも違いすぎて、話に齟齬が出始めている。


「出来れば【空間拡張】のテントだったら、もっと快適に過ごせると思うのだけど」


「そんなのいくらすると思ってるんだ?第一ここには売ってないぞ」


「あら、そうなの?」


 オフェーリアはそう言って小首を傾げた。

 この度、この町に来てからいくつか卸したはずだが、一般には販売されなかったのだろうか。


「とりあえず、いつもダンジョンに潜るときに持っていく装備を見せてちょうだい」




 2人がダンジョンに向かう日、前夜からちらほらと降り出した雪で地面は白く染まり、冒険者用の滑り止めの付いた靴以外では滑りそうな、凍った路面になっていた。

 そんな中、オフェーリアは待ち合わせのダンジョンに続く門の前でマティアスと合流し、小一時間歩いた先のダンジョン前にやって来ていた。


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