『料理と再会』
ウッドハウスに戻ってきたオフェーリアは早速料理に取りかかった。
まずは今日買ってきた鍋を取り出す。
ソースパンから大寸胴まであらゆる大きさの鍋の中から、中型の寸胴鍋を選び、一度きれいに洗う。
この鍋ではクリームシチューを作るつもりなのでまずはホロホロ鳥のもも肉のブロックを取り出した。
それを鼻歌混じりで切り分けていく。
一口大のそれだが、冒険者が同行するのだ。量はたっぷりあったほうが良いだろう。
続いて玉ねぎやにんじんなどの野菜を切り、まずはもも肉を炒め始めた。
もも肉に焼き色がつき始めると、玉ねぎとにんじんを入れ、しんなりするまで炒めると少しずつ小麦粉を入れ、粉っぽくなくなるまで炒める。
そこにスープストックと牛乳を加え、塩胡椒で味付けすれば出来上がり。
その寸胴鍋を熱々のままアイテムバッグに収納した。
次はハンバーグを作ることにする。
取り出したのは、都の金物屋に作らせたミンサーだ。
これでミンチ肉を作っていく。
その割合はオーク肉6対ミノタウロス肉4とした。
ハンバーグの種にはほかに、みじん切りにして炒めた玉ねぎ、卵、細かくして牛乳に浸したパンと塩胡椒をはじめとした数種類の香辛料を入れて、両手を使って混ぜていく。
あとは普通より少し大きめに形成してオーブンで焼いていく。
これも焼きあがり次第、アイテムバッグに入れていった。
「……なんだか無性にサラダが食べたくなったわ」
すでに料理するだけで胸焼けを起こしてしまったオフェーリアだった。
ちょうど、串焼き屋との約束と同じ日に冒険者ギルドから呼び出しがあった。
どうやら同行する護衛が決まったらしい。今日は顔合わせを行うようだ。
「お待ちしていました。
ギルド長が2階の部屋で待っております」
オフェーリアが冒険者ギルドに入った途端声をかけてきた職員がそのまま案内して2階に上がっていく。
そして開かれた扉の向こうには見知った顔が並んでいた。
そのうちのひとりはギルド長ジャンである。
そしてもうひとりは。
「あら、あなた」
「お?」
「何だ、顔見知りなのか?」
そう、そこには先日森で会った男がいた。