表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
613/617

『【ぼくちゃん】の今とマティアスの今』

 夕飯の、肉団子のトマトソース煮を頬張って【ぼくちゃん】はご機嫌だ。

 今日はダンジョンには潜れなかったが森で昆虫採取を楽しんだ。

 ちょうど夏場の甲虫たちが活発な時期だったので、珍しい甲虫がたくさん獲れて【ぼくちゃん】は大はしゃぎだった。

 もちろん採取後はリリースしている。

 この甲虫は飼うと言ってもそれほど寿命の長いものではないし、第一飼育は難しい。

 それは【ぼくちゃん】も理解していて夕刻には自ら放していた。



「キュキュッ」


 肉団子のトマトソース煮に添えられたマッシュポテトのお代わりを要求している。

【ぼくちゃん】は腕を再生してから食欲が増している。

 そして驚くことに、再生してからさほど経たないのに少し大きくなったようなのだ。

 欠損による身体異常で止まっていた成長が復活したのだろうか。


「【ぼくちゃん】ゆっくり、たくさん食べてね。

 ままは【ぼくちゃん】の好物をいっぱい作るからね」


 オフェーリアは嬉しそうだ。




 片やマティアスは眉間に深い皺をよせて、不機嫌真っ最中である。

 王宮の自室で信頼のおける部下たちの報告を聞いてさらに不機嫌さが増した。


「まったく……前王からの重臣はまともな奴は居らんのか?

 つくづく愛想が尽きるわ」


 汚職など日常茶飯事、事によっては暗殺も推奨するような腐り切った連中だ。


「これはこちらが素早く動かなければ、俺の命が危ないかもしれんな」


「そんな!王!!」


「何を仰いますか、王!」


「いや、冗談じゃない。

 俺はいたって真面目に言っている」


 今夜からオフェーリアのログハウスで寝ようと決心した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 最近割と遅れ気味ですがもしかしてワクチンの影響で具合悪し? もしくは体調不良?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ