『小ダンジョンの異常』
「今日はダンジョンに潜ってみましょう」
昨日、ダグルたちが先遣隊として行ってくれて異常がないことを確認してくれた。
このダンジョンは本当に小さなダンジョンで、ダンジョン島の大ダンジョンが現れたのと同時期にできたようで、あちらと繋がっているのではないかと言われている。
だが、その割には出現する魔獣が弱いので、首を傾げているところだ。
ダンジョンというものは不可思議なことが多いものなのだ。
「フェリア様、昨日は見かけませんでしたが“オーク”の目撃情報があります。
ゆめゆめ油断なきようお願いします」
「わかりました。
その時は私が対処しましょう。
【ぼくちゃん】いいわね?」
「キュ」
メイスの扱いも慣れてきた【ぼくちゃん】だ。
「ここは一層だけのダンジョンだと言ってたわよね?」
ダンジョンに入って早々、すでに不穏な空気に満ちている。
オフェーリアは丁寧に探索して、ダグルから聞いていたのとは違うことに気づいていた。
「ダンジョンが広がっているみたい。
下に降りる階段があるわよ」
何と、このダンジョンは成長しているのだ。
「今日はやめた方がいいわね。
【ぼくちゃん】、残念だけど今日もお外で狩りをしましょう」
【ぼくちゃん】は幼児並みの知能だが、言われたことはちゃんと理解できる。
素直に頷いた【ぼくちゃん】はゲルに戻ることを承知し、オフェーリアと連れ立ってもときた道を引き返して行った。
「ダグル、大ダンジョンに誰かを遣ってダンジョンに異常がないか確認するように言ってちょうだい」
あちらも中層以降は変動することのあるダンジョンだと報告されている。
【ぼくちゃん】がいた階層は不変のようだが、若いダンジョンは何が起きてもおかしくないのだ。
昨夜は更新出来ず申し訳ございませんでした。