『【ぼくちゃん】vs大鼠』
「今日はダンジョンから出てきた角兎や大鼠をやっつけましょう」
オフェーリアが探索してみたところ、すでにかなりの数が島に生息しているようだ。
護衛隊の半分以上がダグルと共に竪穴式のダンジョンに偵察に出かけているが、【ぼくちゃん】も攻略が初めてではなく、気合いが入っている。
今までもダグルから短剣を借りて魔獣の命を借りとっていたこともあり、その事に関しての緊張はないようだ。
「この2つの種、特に角兎は料理するととても美味しいの。角もお薬の素材になるしね。
大鼠はあんな見た目だけど干し肉にすると美味しいのよ」
「キュキュキュー!」
食いしん坊な【ぼくちゃん】は特に干し肉と聞いてテンションが上がっている。
干し肉はおやつとしてダグルから与えられている身近なものだ。
「では【ぼくちゃん】
もうすぐ皆がこちらに大鼠を追い立ててくれるから、盾で防いでメイスで叩く、これだけだけど、できる?」
「キュー!」
「じゃあやってみましょうか。
ままがサポートしてるからね。安心して」
その時ちょうど大鼠が追われてきた。
【ぼくちゃん】はそれを待ち受け、オフェーリアの言う通りに動くだけだ。
「そう、盾で正面から受けて」
ダグルたち兵士なら蹴り飛ばしてから剣でトドメを刺すところだが、身長の低い【ぼくちゃん】なら盾で弾いて剣を使う方が安全で確実だ。
それに大鼠なら角兎と違って角で突かれることがなく、もしも激突することになっても大怪我に繋がりにくいこともある。
「キュキュー……!」
小柄な【ぼくちゃん】を見て侮ったのだろう。
突然大鼠がジャンプして、【ぼくちゃん】に飛びかかってきたのだ。
それを【ぼくちゃん】は冷静に盾で叩き落とし、メイスを振り下ろした。
うまくメイスが頭に当たって大鼠は動かなくなる。
無事【ぼくちゃん】は一匹目を仕留めることが出来たようだ。