『信奉者=ストーカー?』
「値段はギルドなどと話し合って決めて頂戴。
私としては家賃代わりみたいなものだから、なるべく安価で流通させてもらえれば嬉しいわ」
簡易ポーションの方は量産する事に成功して、すでにかなりのストックがある。
他のポーションも余暇を見つけては製作してきたので、こちらもそれなりの数があった。
だが、今回は4件の依頼先に卸す事になるので、追加で調薬する事になるだろう。
「では、ちょっとこれから買い物に行ってくるわ」
「姉御、荷物持ちにひとり連れて行って下さい。
姉御は(見かけは)かわいいからバカが絡んで来ないとも限らないですからね」
「むむぅ、そんな事ないでしょー。
ひとりで大丈夫なのに」
ぷくっと膨らませた頬がかわいい。
防衛隊の鎧をつけた大男を従えた、金髪の少女(?)
市場で大人買いしている彼女らに、次の災難?が近づいていた。
「フェリアっ!!」
全速力で走ってきた彼は、オフェーリアと同じ金髪の美丈夫であった。
「げっ、クロード?
こんなところで……」
「フェリアー、my precious!」
走り込んできた勢いそのままに抱きついてくるクロードを避けきれず、そのまま抱きしめられてなす術もなかった。
「たった今あなたが僕を訪ねてきてくれたことを聞いて、いてもたってもいられなくて、飛んできてしまいましたよ。
precious、相変わらず美しい」
「そんな事はいいから、はーなーしーてー」
「照れなくてもいいではないですか。
私とあなたの仲でしょう?」
「どんな仲なんだか。
ええい、鬱陶しい!離せってば」
側からはじゃれあっているとしか見えないが、オフェーリアはその気になればいくらでも過激な手段をとることが出来る。
「逃げませんか?」
「用があるからギルドに行ったわけでしょう?
逃げるはずないわ」
「では」
抱きしめていた腕をほどいて、改めて跪いたクロードは、オフェーリアの金色の髪を手にとった。
「precious、お帰りなさい」
この、やたらキザな物言いの美青年が、商業ギルドの名物ギルド長、クロードである。




