表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
587/617

『【ツブネラアロン】』

 月明かりの無い闇夜。

 本来なら真っ暗闇の中、その森の一画はぼんやりと発光している。

 オフェーリアはそちらに向かってゆっくりと歩いていった。

 あたりは静かでオフェーリアの歩くサクサクという音しかしない。

 気配を探ってみても小動物すら引っ掛からなかった。



「ふわぁ……」


 その一帯、森の中の少し開けた場所に点々と、可憐な白い花が咲いている。

 その花が開くことによって発光しているのか、蕾の状態のそれは普通の花と変わらないようだ。


「何か、思ったよりもたくさん咲いているのね」


 パッと見たところだがポツポツと30本ぐらいは咲いているように見える。

 そのほかにももうすでに枯れているものや蕾のものもあってこのあたり一帯に群生しているようだ。

 オフェーリアはゆっくりと近づいていって、一本手折ってみる。そして観察していると見る見る劣化していくのが確認された。


「っ!」


 動揺したオフェーリアはすぐに異空間収納にしまってようやくこの【ツブネラアロン】の希少性に気づく。


「なるほどね。

 こんなにすぐ枯れるのなら採取してもいい状態で売ることが難しいわね。

 こんな辺境の村にアイテムバッグ持ちがそうそう居ると思えないし、たとえこれ全部採取したとしても素材として使用できるのは……」


 そして枯れるのと乾燥は違う。

 きちんと乾燥させることができればすぐに調薬することができる素材なのだが、枯れた花はただのゴミだ。


「じゃあ、採取しましょうか」


 どうやら花だけ取って株を残しておけばまた来年開花するようだ。

 オフェーリアは花を摘みすぐに異空間収納に入れることで劣化を防ぐ。

 そうして開花しているものをすべて採取し終わるとやにわにゲルを設置した。

 そう、オフェーリアは今ここにある蕾の状態の花も咲くまで待って摘んで帰ろうと言うのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やっと待望のごたーいめーん(T~T)長かったけど無事に持って帰れるかな(・・?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ