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『一行との別れ』

 無事、村に到着したオフェーリアたち一行は、その足ですぐに宿屋に向かった。

 村に一軒しかない宿屋はずっと開店休業状態で、女たちの針仕事による民芸品作製によりやっとこの度行商人との取引で現金収入が得られるのだ。

 なのでミュールの訪問は大歓迎で、明日からは村全体との取引が始まる。


 この村はオフェーリアの目的地に近い村まで後2つの村を経る位置にまで来ていて、目的地のおおよその場所も把握できている。

 なのでここから一気に【飛行】で向かえばよいのではないかと悩んでいた。



「まずは下見よね」


 宿屋の敷地内にゲルを出し調合を装って引きこもった。

 そしてこっそりと抜け出して【ツブネラアロン】が生息するという山地の森を目指した。

 そこへは峠を越えたり森を迂回したりせずに一直線で向かえるため一気に時間も距離も短縮することができた。

 この北部辺境山地でも一番奥の村からさらに山奥に入った場所。そこは何故か奥に行くほど積雪量が減り、生息地と言われている一帯では踝ほどしか積もっていない。

 オフェーリアは【ツブネラアロン】が夜開花する植物だと聞いていたので、次は夜半に転移して来ることにした。


 宿屋の食堂での一行との夕食のあと、一旦貸し与えられた部屋に入り、お礼の手紙とポーション20本入りの箱2箱を置いてゲルに移る。

 そして準備を整え深夜を待った。

 もう採取を終えればここには戻ってこない。

 最初は一番奥の村まで同行するつもりだったが昨日のような天候になって身動きが取れなくなったら目も当てられない。

 そうしてオフェーリアはゲルを収納し【転移】したのだ。



 今宵は偶然ながら新月の夜だった。

 転移してきた森の中では何の灯りもなく、本来は真っ暗闇のはずなのだがある方向が薄ぼんやりと光っている。

 オフェーリアは【ライト】を使うのをやめ、そちらに向かって歩を進めた。


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