表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
577/617

『調理と解体』

 雪でも雨でも高速で【飛行】する場合では非常に拙いことになる。

 いくらオフェーリアが結界で防御していても自ら突っ込んでいく形の雪や雨はその速度に比例して衝撃が大きくなる。

 確かに防御しているので痛みなどは感じないが抵抗は受けるし何しろ視界が遮られてしまう。

 なのでたとえ大したことない雪でもオフェーリアが高速で【飛行】するかぎりまったく抵抗を受けないというわけではないのだ。


「まあ、しょうがない。

 雪が止むまで待機、と言うことで」


 そんな事情で足留めされたオフェーリアはこの時間を使って調理することにした。

 例の辺境の町の宿屋でかなりの量のストックを吐き出したため、特にシチューなどの煮込み料理が心許なくなってきていたのだ。

 そしてスープはいろいろな種類のものを用意しておきたい。オフェーリアは異空間収納から手当たり次第に野菜を取り出した。

 にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、セロリ。ニンニクはみじん切りしてオイルで炒めて香りをつける。

 そこに適当に刻んだ野菜を投入ししんなりするまで炒めた。


「ん〜、ベーコンにするかソーセージにするか……

 ここはベーコンかな」


 一口大にカットしたベーコンと共に水、瓶詰めのトマトの水煮、固形のコンソメを入れて中火にかけた。

 あとは野菜が柔らかくなるまで煮て、塩で味を整えるだけだ。


「さて、次は何を作ろうかな」




 オフェーリアが料理三昧している頃、首都の冒険者ギルドの解体場では解体人総出で作業の真っ最中であった。


「まったく、何て奴だ」


 それを見学しているギルド長が傍の鑑定士に語りかけるでもなく、そう言った。

 先日、ひょっこりやってきたエルフの少女?が情報の礼にととんでもないものを破格の安価で卸してくれた。

 今解体しているのはそれだが、あまりにも状態が良いので皆戸惑っているほどだ。


「こんなのオークションに出せばとんでもない値がつくぞ」


 ふたりはただ、解体されていく【ワイバーン】を見ているしかなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ