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『避難してきた者たち』

「隊長!皆!どうしたんだ?!」


 門の警備を任されている兵士たち、そのうちの何名かがこの雪の中、今はジョーンズの前にいる。


「と、とにかく中に入ってくれ。

 ……一体何があったんだ?」


 軍支給の外套や兜を雪まみれにし、見るからに身体を震わせながら次々と兵士がやってくる。

 初めびっくりして見ているだけだったオフェーリアだが、我に帰った女将と共にスープを温め始めた。


「隊長、これだけの人数がいるということは現在門を警備している全員だということですね?

 一体どうしたというのです」


 普段門は4交代制で警備及び入国、入町者の審査を行っている。

 その一班の殆どがこの場にいるようだ。


「ジョーンズ済まない。

 門を硬く閉じて我々は避難してきた。

 これ以上あそこにいれば死者が出る、そう判断して退いてきたのだ」


 本来門の番兵が門を放棄するなどあり得ないことなのだが、今回はあまりの異常事態なため、わざわざ行政から避難するよう使者が来たのだと言う。

 ちなみにその使者もこの場にいる。


「ほとんどの兵とその家族は行政府に避難している。

 確かに今この町の防御は手薄だが、今この状況で門を破るようなものもこの吹雪に阻まれている。

 我々の避難は最後になってしまいもう受け入れ先が残っていなくてな、一縷の望みをかけてここに来たんだ」


 隊長の言葉にジョーンズはびっくりするやら青くなるやらで言葉が出ない。

 そんなところに女将の声が響いた。


「皆さん、奥の暖炉の前へ!

 外套はそこに脱いで行ってください。

 さあ、これを飲んで温まってください」


 はっきり言って定員オーバーなのだがその気になれば食堂のテーブルと椅子を片付けてごろ寝してもらえばいい。

 宿は総勢14名の兵士を受け入れ、改めて扉を閉じ結界で囲まれた。


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