『団欒2』
マティアスの主食はポテトサラダなのか、と思いたくなるほどサクサクと減っていく。
横でダグルに介添えしてもらって【ぼくちゃん】も一緒になって食べていた。
「今日はこの魚も美味い、エビもタルタルソースをたっぷりつけてプリプリで美味い、スープもこれならパンがいくらでも食べられそうだ」
魚のムニエルはふた口で終わった。
そしてあっという間に減っていくエビフライにオフェーリアは呆れてしまう。
「うん、おかわりは要りそう?」
「……出来たら頼みたい」
「キュッキュー!」
席を立ったオフェーリアはキッチンのカウンターで、多い目に揚げて異空間収納に入れていたエビフライを大皿にに移していった。
「はい、おかわりだよ!」
すでに空になっていた皿と交換すると素早く伸びたマティアスのフォークがエビフライを【ぼくちゃん】の皿に移してやる。
「このくらいでいいか?」
10本移した時点で聞くと【ぼくちゃん】は大きく頷いて、早速タルタルソースを取り分けている。
それを見てオフェーリアはそろそろタルタルソースを作り置きすべきだと心に留めた。
「このスープは腹に沁み入るようですな」
よほどスープが美味しかったのだろう。
めったに口をきかないダグルがしみじみといった様子だ。
「海の幸がたくさん入っているから、それから良い出汁が出ているわ。
作り方は簡単なのよ」
手を差し出されて思わず渡してしまう。
おかわりを頼んでしまったダグルだった。
周りの男たちはそんななのだが、オフェーリアはまだ品よく前菜のスモークサーモンのマリネを食している。
スモークサーモン自体は市販の品で、これは中大陸の海辺の町で、海産物で有名な店の商品だ。
玉ねぎときゅうりの薄切りと共にマリネ液に漬けるだけでこれほど美味しくなるとは嬉しくなる。