『食卓』
異空間収納から取り出したのはホワイトアスパラガスだ。
まずは根元の方の皮をむき、熱湯で茹でていく。
その間にバターを用意しておき茹で上がりにタイミングを合わせてソースを作る。
簡単だがホワイトアスパラガスを食べるのならコレだ。少なくともオフェーリアはそう思っている。
これは熱々が美味しいので前菜として出すことにする。
「おーい、あがったぞー」
タオルで全身を軽く拭いて、マティアスの手を離れて駆けてくる【ぼくちゃん】
オフェーリアに激突する瞬間、ダグルの手で掬われ抱き上げられた。
「食事の前にちゃんとしような」
ダグルに回収された【ぼくちゃん】はもう一度脱衣所に戻っていった。
そのかわりにやってきたのはマティアスだ。
そして当然のようにカトラリーやグラスを並べはじめた。
「これは前菜か?」
オフェーリアが出来立てのアスパラガスを出すとマティアスがサーブしてくれる。
その間にもう一度グラーシュに火を入れ、オーブンからホロホロ鳥を取り出してテーブルに運んだ。
これも取り分けはマティアスに任せることにし、今日の主食であるマッシュポテトを盛り付ける。
グラーシュには保温の魔法をかけテーブルに並べた。
そしてポテトサラダは……ボウルごとテーブルに置いた。
あとはトマトのスライスだがこれにはたっぷりとサラダ用のオイルをかけた。
「おっ、今日のホロホロ鳥も美味そうだ」
ホロホロ鳥の丸焼きの中にはライスや松の実などのナッツ類などが詰められていて、それに肉汁が染み込んで涎が出そうだ。




