『ポロポロ鳥の甘辛ソースがけタルタルソース添え』
「さて、マティアスはまだまだお腹いっぱいじゃないよね?
【ぼくちゃん】はもうちょっとイケるかな?」
「キュー!」
「うんうん、良いお返事。
じゃあちょっと待ってね」
調理用作業台に向かったオフェーリアは、あらかじめ揚げて収納しておいたポロポロ鳥のモモ肉を取り出して適当な大きさに包丁を入れ、甘辛いソースをかけて、茹で玉子とピクルスのみじん切りがたっぷりと入ったタルタルソースをこれまたたっぷりとのせた。
「じゃじゃーん、ポロポロ鳥の甘辛ソースがけタルタルソース添えだよ〜ん!
【ぼくちゃん】のは一口大にカットしてあるからね」
男ふたりにとって至福の時間だ。
マティアスはタルタルソースに目が無く、なおかつ【ぼくちゃん】の大好物でもある。
「キューキューキューキュー!キュー!!」
踊り出しそうになる自分を抑えた【ぼくちゃん】が、タルタルソースを落とさないようにフォークに刺して口に運ぶ。
クリームシチューから始まってハンバーグにサラダとたくさん食べたはずだが大好物はそれ毎に別腹のようである。
「うん、美味い。
フェリアの作った料理は全部美味い」
今日のポロポロ鳥は特に脂がのっていて、モモ肉はとてもジューシーなまま揚げられている。そこにソースが絡んでそれだけでも美味いのに、タルタルソースが加わればそれは食の暴力以外のなにものでもない。
デザートの『いちごのムース』は、いちごがちょうど出回り始めたところなので都で調達してきたものだ。
フワフワ系のデザートはマティアスも【ぼくちゃん】も好物なので早くもデザートスプーンを手に待ちきれなそうだ。
「はい、召し上がれ」