表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
413/617

『ダグル2』

「おい、早くしろ!!」


 犯人たちが脱兎の如く駆け出した。

 そんななか、中々たどりつかない自分が不甲斐ない。

 ようやく【ぼくちゃん】の元に着いたときにはすでに冒険者たちは去っていて、その後ろ姿がかろうじて目で追える程度だ。

 兵士として対象に対して対峙する事をたたき込まれているダグルとしては彼らを追うべきだとわかっているのだが、それはどうしても出来なかった。

 そう、彼ら兵士にとって【ぼくちゃん】は“仲間”なのだ。


「おい!しっかりしろ!!」


 血塗れで横たわる【ぼくちゃん】に向かって、ダグルがまずしたことはポーチから取り出したポーションをかけることだった。

 1本、2本、3本。

 左腕は肩から切断され大出血を起こしている。身体の傷もかなりの深傷でポーションの効果が出ないでいた。

 4本、5本。


「くっそう、もうポーションが残り少ない!

 誰か、誰かいないか!!」


 その時ちょうど近くにいてこの事件に気づいた小隊が、ダグルと【ぼくちゃん】のいる茂みに近づいていた。


「おい!どこだ?!」


「その声はメヒルか!

 助かった!こっちだ」


 手持ちのポーションの最後の1本、6本目を注ぎながら、ダグルは大声で叫んだ。


「【ぼくちゃん】がやられた!

 ポーションが足らないんだ。

 ありったけ頼む!」


 すぐに小隊からひとりが抜けて、街道を今来た方向に向かって走り出していた。




「その後はありったけのポーションを集めてきて、ずっとかけ続けてきました。

 傷が深いのでしょう、初級ポーションでは出血を止めるので精一杯でした」


「よく頑張ってくれたわね。

【ぼくちゃん】は連れて帰ってちゃんと治療するわ」


「はい、よろしくお願いします」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 昨日からずっとぼくちゃんの悲鳴が頭から離れません‼ 。゜(゜´Д`゜)゜。 信頼してる人間のいきなりの凶行 暴力 無抵抗のぼくちゃんに対して卑劣極まりない‼ (ノ`Д´)ノ彡┻━┻ 昨日か…
[一言] ダグルさん、小隊のみなさんの発見とポーションの提供がなければぼくちゃんは。。。 。゜(゜´ω`゜)゜。(/□≦、);(´;ω;`) ほくちゃんの事を仲間だと思ってくれているみなさんにちゃんと…
[一言] ゜゜(*´ω`*。)°゜ ぼくちゃんやっぱり即死レベルだったのね。。。 なんとむごいことをするんだにゃ٩(๑`н´๑)۶
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ