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『治療』

 それをかけた途端、身体に刻まれた袈裟がけの傷は見る見る間に消えていった。


「これで少しは安心ね。

 皆がずっとポーションをかけ続けてくれたので、何とかここまで保っていたようよ。

 どうもありがとう」


【ぼくちゃん】の身体は特殊で、本来あるはずの位置に重要な内臓が配置されていない。

 そのことがこの度は直接、心臓や太い血管を切断されずに済んだようである。


「【ぼくちゃん】、【ぼくちゃん】私の声が聞こえる?

 もし聞こえるなら瞼を動かせる?」


 今までピクリともしなかった瞼が微妙に震えている。


「【ぼくちゃん】これから身体を少し起こすわ。

 そして口許に瓶を持っていくから、その中身を飲んで欲しいの。

 ゆっくりでいいの。

 さあ、飲んで」


 ひとりの兵士が抱くようにして身体を起こした。

 そしてオフェーリアがポーション瓶を口に近づけると、その乾いてひび割れた唇が薄らと開いてポーションを受け入れていく。


「これくらい酷い傷の場合、患部にかけるだけでなく服用することも大事なの。

 でも意識がない場合は気をつけて。

 肺の方に誤飲することがあるから。

 それと腕の切断部だけど、ポーションをかけることによって止血ができたのはとても良かったわ。

 化膿するのも防げたしね」


 オフェーリアの説明を兵士たちが頷きながら聞いている。

 この場で即席の講義が始まったようだ。


「今、一番問題なのは大量の血が失われた事。

 なので増血剤を飲ませたいのだけど、水薬ならともかく丸薬はそのままでは無理でしょ。

 その場合は砕いて、水に溶かして飲ませるの」


 注ぎ口のついた乳鉢に丸薬を一個入れ、それを慎重に砕いていく。

 完全に粉になったところで水を足してなじませていった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 一命をとりとめて良かったです(:_;) 兵士達や冒険者達もポーションありがとうございました m(_ _)m ぼくちゃんの腕が元通りになりますように お祈り((人*´∀`)。*゜+ フェリア…
[一言] ぼくちゃんが回復するにはフェリアさんが必要不可欠っっ フェリアママさんの献身的な愛情があれば絶対に元気になるはずっっ ぼくちゃんが(当分の間は無理だけど)元気になって身体が動かせるようになっ…
[一言] ぼくちゃーーーーーーーーん 元気になってーーーーーーーっっ 冒険者さん達とフェリアさんの愛で助かって欲しい゜゜(*´ω`*。)°゜ ぼくちゃんが誰かの身代わりになってかばうことで守ったのかな…
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